先日、アメリカ在住のあるクライアントさんから、午後6時からのセッションを、4時からに変えてもらえませんか?と依頼あり。
他のアポと重ならない限り、時間はいかようにもなるので、早まる分にはもちろんOK。
「こんな時間に会社から帰ってこれるんですか?」と聞くと、
「今日やるべきことは終わったので」「別に家で仕事しても構わないんですよね」というお言葉が返ってきました。
かなり個人に裁量が任されている仕事環境で、与えられたプロジェクトを、標準時間内でこなしている限りは、始業時間も就業時間もゆるゆるなのだそうです。
いいですね~。
マネージメントって「監視」ってことじゃないはずなのに、どうしても目の前に社員がいないと不安になっちゃう上司も多いようです。
テレワークは何が問題なの?
私も経営者時代に、テレワークを実験導入してましたが、反対するのは、いつも同僚や直属の上司たち。
人を探しても潤沢に見つかる環境じゃないのに、なに贅沢言ってんの、君らは、って感じなのですが、どうやら根っこには「不公平感」があったりもするようでした。
小さいな~、お前ら。
とは言いませんでしたが(苦笑)、もっと大局で生産性向上ということを考えたら、どうでもいいはずなのですけどね。
「社員」からの卒業という選択
クライアントは、ある時点で正社員からコントラクター(契約スタッフ)に切り替えて、自分主導で働く、働かない、を決められるようにしようと目論見中。
フルタイムだろうがパートだろうが、社員という制度には、美味しさもある代わりに、拘束が伴うものでもあります。
安定、安心、という要素と、拘束が少なくなるということを比べて、どっちが勝つのか。
それはきっと人それぞれなのでしょう。
別なクライアントさんと話していたら、「今度から週に3日だけの勤務にしてもらうことになりました~」と嬉しそう。
こないだ週4日体制にしたばかりで、え、また減らすの?と驚いたのですが、技術職なので、それでも日本の平均的サラリーマンの月収はちゃんと稼げるのだとか。
だったらね~(笑)。
大好きなアート関係を追求して副業にしようと、心がグイッとシフトし始めたからなんですよね。
時間という貴重なリソースを最優先する暮らし
おふたりに共通するのは、「もっと自分の時間がほしい!」という願望です。
え、そんな恵まれた環境なのに、まだ時間がほしくて時短勤務を選ぶの? と驚くのは、きっと日本の皆様(笑)。
ダラスでも、トヨタ本社すぐ近くの地ビールのお店(巨大)なんか、夕方5時半で満員。
皆さん、ひと仕事終えて、同僚らと陽気にグラスを傾けていました。
そのまま車で帰るのだけは、ちょっと危ないのですが(苦笑)、テキサスは規制がゆるいし取締りもあまりない。
一杯飲んで、家に着いてもまだ6時半(皆、家も近いですから)。
そこから家族との長い夜が始まります。
当然、ひとり時間もいっぱい持てます。
エクササイズや趣味や教養や休養に、たっぷりと時間を割ける暮らし。
未来に向けての再勉強やら、趣味の延長の副業やら、友人らとの密度濃い交流やら。
そんなことに使える時間もたっぷりある。
それでいて、新興住宅エリアの平均世帯年収は1000万円+とか言うのだから、なんというか…豊かですよね。
あと何年、今の暮らしを続けますか?
「日本では無理」「自分には無理」
そんな言葉も聞こえてきそうですけど、いや、日本でだって実現できている人もいっぱいいますよね。
もちろん社員として働くメリットもたくさんあることと思います。
が、これから何年、そういう暮らしが続けられますか?という問いに、真剣に向き合ったときに、心がつぶやく返事はなんでしょう。
そして、社員、という選択がなくなってしまったときに、自分にできることは何だろう?という問いへの答えも、早々に見つけておかないといけませんね。