東京最後の対面セッションは、鎌倉から来てくださった40代後半の女性。
私が11時にはチェックアウトしないといけなかったので、スタートは8時45分。
通勤時間のど真ん中に当たって、彼女は幸い座れたようですが、でも超満員の人が揺れるたびに迫ってきて不快度100%。
「よく皆さん、毎日やれていますね」
「うん、私ももう無理です」
そう言って、お互いに苦笑い。
私など、車で5分の通勤すら面倒で、自宅開業したわけですからね(笑)。
シングルマザーで、おひとりでお子様を高校まで行かせている頑張り屋さんですが、好きだった仕事が負担になってきて、50という数字も眼前に見え、やや焦りが。
大好きなハワイに住める「自由」はどうやったら手に入るのか?
時間と場所に縛られないで働くために、自分にどんな可能性があるのか。
かつても「ひとり起業」的に働いていたこともあるし、利用できる資格、スキルも実はある。
ただ、雇用されて得られる今のような安定感がなくて、不安だった記憶がよみがえり、気が進まない。
クライアントさんからのご相談あるある大事典、定番トピックスのオンパレードです(笑)。
結局、2時間半近く、いろんな角度からじっくりとお話をしていく中で、最大の「問題」が浮かび上がりました。
「私、疲れ切っちゃってますね…」
頭も、心も、身体も、全部が疲れてしまっていて、そこから逃げることが最優先になっている。
未来へつながる準備、とか、ゆっくりと段階的移行するためのプロセスづくりに入る、とか。
思いつく選択に対して、頭は理解をするのに、心がどうにも動かない。
「もう一気にやめちゃいたい」
「でも怖い。いや、なんとかなる…?」
「いっそパートに出ちゃおうか…」
混乱、混乱、大混乱…。
実は、サーフィンが大好きな彼女。
なのに、ここしばらく海にも入れていないと言います。
そのフレーズが、何度も出てくる。
うーん、そこだ!
お勤め先と相談しているという「時短」プランにまずは移行して、大きな時間のブロックを確保する。
そして、その時間、海に行く。
サーフィンを思う存分、楽しんじゃう。
大学進学の費用のこととか。
年齢のこととか、海外移住とか。
ひとり起業のこととか。
今はまだ考えなくていい。
とにかく、身体をめいいっぱい好きなことに使って、大自然を「五感で」感じて、全身に
エネルギーをチャージする。
人間、やっぱり大地を踏みしめたり、海原に身を任せたり、太陽の光を肌に浴びたりしないと、ダメなんです。
地球の波動から力をもらって、はじめて生命力が生まれるんです。
そんな風に話の方向が向いていったら、彼女の顔が、ゆるく柔らかな笑顔に変わっていきました。
「とにかく話ができて良かったです」
最後にそうおっしゃっていましたが、話すことで、質問を受けることで、ごちゃごちゃな頭や心が整理されていくんですよね。
「自分にはいろんな可能性がある」
少しそんな風にも、感じられるようになったようです。
たった一度のセッションとしては、上出来です。
だから、きっと彼女は大丈夫。
海に出て、無心で波を追いかけて。
もともと持っていた「自分らしさ」を取り戻していくことでしょう。
大人世代の人生後半戦は、妥協なく、常識や人の声に縛られず、思い切りわがままに生きたいですね。
参考 やりたくないことを「やらない選択」ができるのが本当の自由