毎日、終電近くまで働き続けてきた
アラサー女子クライアントが、ついに
退職を決意しました。
彼女とは、去年の夏に初めてお話したのですが、
献身的ながんばりを知る者として、本当に
嬉しくて、決心のメールを見たとき、思わず
うるうるしてしまいました(涙)。
過労を重ねて、それでもまだ自分に厳しく
いろいろ課した挙句に、報われずに
命を落とすケースもあります。
疲れ果てて、心身が損なわれて、当たり前の
生活がおくれなくなっていく人もいる。
会社に、そこまで捧げてはいけないのは
皆、常識的に知っていても、別な常識に
縛られて、身動きができなくなっています。
彼女も、お父さんから
「一生、ひとつの会社で働き続けるのが
良いこと」と厳しく躾けられてきて、
それもあって動く選択ができずにいました。
一緒に残業時間を計算してみたら、
多い月で、130時間を超えていました。
過労死ラインは80時間。
ありえない多さです。
が、周りが皆、そうだから、それを異常値と
感じなくなってしまうんですよね。
でも、彼女も心を病んで休職したことがあるし、
常に社内には、そういう状態の社員が複数
いて、人材確保もたいへんみたいです。
当たり前、ですよね。
人間、ロボットではないのですから、やりがいも
報いもさほどない状態で、機械のように
心を滅して働き続けることはできません。
無理すれば、心身、どっちか、あるいは
両方に、ちゃんと信号が出ていくものです。
人生って、ある意味、「生きている時間」と
同義語ですよね。
クライアントも、今、ここで動いたら、
これまで築き上げたものが無になる、と
恐れていたりしたのですけど、
そういう損得を計算するよりも、これまでの
10年、実は「損してきた」のだという事実に
目を向けて、早く損切りした方がいいよ、
と話したのです。
とくに彼女の場合は、それがずっと
続けたい仕事でもない、と見えてしまって
いたので、なおさらです。
大事な人生。
限りある、生きている「今」という時間。
好きなことをして、好きな人といて、
安らかで、同時に生き生きとして、
過ごせたら最高ですよね。
ちょっとの残業代くらい、
時間の余裕さえあれば、きっと
自分で稼げるようになりますよ。
時間さえあれば、勉強もできる。
時間さえあれば、スキルも身につけられる。
時間さえあれば、心に余裕が生まれる。
時間さえあれば、休んで活力を養える。
クライアントも、我慢に我慢を重ねて、
残業代を積み上げてきても、結局、
それを使う暇もなくて、
何がしたいのか、何が買いたいのかも
わからないくらいに、「心」が
疲れ切ってしまっていました。
ねえ、いったい何のために働くの?
いったい何のために、いつまで、
自分の大切な時間を捧げるの?
言葉を変え、事例を交え、さまざまな
角度から、クライアントに問いかけを
続けてきました。
あまりにも心の壁が厚く、固くなりすぎて、
言葉がまるで入っていかなかったのが、
やっとスムーズに染みるようになって、
心のマッサージセラピスト役の私としては、
汗をかいて、ぜいぜい息をして、指圧の指が
折れるような対話をしなくてもよくなって、
そのことにもホッとしています(笑)。
意味なく会社にしがみついたところで、
しあわせバランスは整わないし、
豊かさマインドにも無縁です。
残業は、場合によっては、1時間だって
多すぎる。
人生の意味。時間の意味。自分の価値。
そんなことを考えれば、毎日の過ごし方も
変わっていくのではないでしょうか。
まずは、今の時間の使い方を見直して、
ガラッとパターン化した習慣を変えて
みると、違う景色も見えてくるかもしれません。
参考 なぜか「持ち時間」も増えていく朝時間の有効活用。
朝型生活を実現したい人へ贈る5つのアドバイス