この写真は、実家に行くと母が作っておいてくれる、極上の惣菜です。
特筆するような味とかこだわり、とかでは別になくて、丁寧に、たまにしか会えない遠くに住む息子のためを思って作ってくれていることを知っているので、自分にとっての極上品なのですね。
出汁に良いものを取り寄せたり、白砂糖禁止令を出すウルサイ息子に合わせて、甜菜糖を少量だけ使用したり(苦笑)。
気を使わせておりますが、まるで生サラダのように遠慮なく食べる私のために、大量に作っておいてくれます。
有り難いことですね。
日本を旅している間は、どうしても食がいつもと異なり、野菜が不足しますから、こういう食が心身に染み入ります。
…という話しがしたいのではなく、今回は、親に育てられた子ども時代の体験が、いかにその後、何年も、何十年も、人間の思考や行動に影響を与え、可能性を縛ってしまったりするか、というお話です。
親の子育てが子の「心」に与える影響は多大
コーチングのセッションは、心療内科やセラピーとは違うので、あまり直接、病気につながるような悩み相談とかはありません。
が、やはり夢の話をしたり、目標設定をしたりして、さあ行動、となった時に、さまざまな「ブレーキ」が表面に浮かんできます。
頭ではやるべき、やった方がいい、いや、やりたいことなのだ、と思っていても、身体がついていかない、なんてことも多いのです。
あるところまではスイスイ進んだのに、突然、先延ばししたり、行動を止めたりする「ぐずぐず症候群」が出たり、ガチっと身体が固まり「金縛り状態」に陥ったり。
あれこれ言いわけをするのも罪悪感だし、自分にどんどん自信をなくして、セッションを避ける人もいたり。
完璧主義、自信がない、劣等感が抜けない…。
いろいろな形の、そういう心の状態をたどっていくと、親との関係に行き着くことが多いのは、心理の世界ではよく知られています。
まだまだ未熟で、柔らかくて、親が絶対的な存在である小さな頃に、どんな風に育てられるかで、子どもの意識には、「違う常識」が備わっていくものです。
私のクライアントのひとりが、「母との関係」において、かなりトラウマと言っても良いダメージを受けていることから、あれこれと参考になる本を読み漁ってみました。
その中の一冊がこちらです。
母と娘の「しんどい関係」を見直す本
今回おすすめする母と娘の「しんどい関係」を見直す本は、母と娘、という関係性について、驚くほどわかりやすく、事例もたっぷりに書かれた良書です。
本を読んで、「こういうこと」が、「こうなって子どもに出てくる」という、数式みたいなものが見えてくるので、謎解きのようになるほど~、と興味深かったです。
多くの場合、原因が見えると、解決も簡単になってきます。
親に取ってみると、「子どものためを思って」という大義名分があるわけですが、その背後には、親が子どもだった時のことが隠されています。
虐待は連鎖する、と言いますが、子との関係性も連鎖するのですね。
自分がされたことを、お手本としてするほかなかったりする場合も多いですしね。
最近では、子育ての仕方も大いに変わりましたし、体罰厳禁、ということも、当たり前に言われるようになりましたが、かつてはそうではありませんでした。
競争の中に置かれて、ただでさえ劣等感を頂きやすい状態の子どもを、他の子どもと比べたり、兄弟関係の中で比べたり。
叱咤激励も、やり方を間違えると、毒になる。
「心配」も、過ぎると、毒になる。
そもそも、どんな出処から、その叱咤激励や心配が出てきてるのか、ということが問題なわけですね。
親の不安、親の見栄、親のイライラ、親の孤独。
それらが反映されて出てくるものは、愛情とは似て非なるものです。
親子だって、「別人格」であること。
親子なら、分かり合える、のウソ。
親から「心理的に」離れる方法。
自分を責める罪悪感から解放される方法など、今すぐ役立ち、心がほっとする記述が満載の良書です。
親だって、未熟なひとりの人間だから
今、大人になった我々が腹に落とすべきことは、「親だって未熟だったのだ」ということ。
そして、あの頃の自分は、「実はどうしてほしかったのか」「どうしたかったのか」を感じ、それに対して、素直になること。
セラピーでは、心の奥底に隠してしまった本当の声を見つけ出し、それを口に出して言ったりして、「過去」を溶かしていきます。
母と娘、というタイトルになっていますが、これが父と娘、母や父と息子、でも、当てはまることが多いなと思いました。
小さく、まだ未成熟な柔らかい子どもの意識には、「親」という絶対的な存在の影響は、計り知れないのですね。
虐待、という領域にない言葉や態度でも、子どもに与える影響は多大です。
私も、愛情表現が上手ではない両親から、精一杯の愛情を実は受けて育っているわけですが、その過程では、知らず、知らずに無数の「影響」を受けてきています。
いろいろと心理系の本を読んだり、セミナーに行ったり、セッションを受けたりしながら、自分なりに解決をしていくわけですが、あらためて、深いなあ~と感じています。
私たちの中には、いつになっても未熟で未解決な「子ども」が住んでいます。
自分をケアする、自分を愛する、とは、その「子ども」を無条件で愛すること。許し、認め、無条件で愛することなのです。
他にも、参考になる本がいっぱいあります。
いろいろな心の悩みや、わけの分からないブレーキ、思い込みが、この辺に集約していることも多いので、思い当たる方には、多読をおすすめします。
わけの分からないけど、つい止まってしまう、自分自信の問題、課題の根源が見えてきます。