リオ・オリンピックの余韻冷めやらぬ頃、マイケル・フェルプ選手が自殺の危機から立ち直るきっかけになった、という貴重な一冊の本をブログで紹介したところ、たくさんの反応をいただきました。
参考 マイケル・フェルプス 記録の秘密。自殺の危機から救った一冊とは?
北京、ロンドンと快調にメダルを獲得して、一躍トップスターとなり、富も名声も手に入れた彼は一時、引退します。
でも、今度は「生きる意味」を失ってしまい、アルコール、ドラッグ(軽いもののようですが)、酒酔い運転、ギャンブルなど、逮捕までされるほど坂を転げ落ちていきました。
こんなんだったら生きている意味はない、と一度は、本気で自殺も頭をよぎったようです。
幸い、アメリカにはすばらしいリハビリ施設がありますし、金銭的な余裕さえあれば、単に身体的な部分ではなく、マインドの徹底修復をはかるためのプログラムが充実しています。
彼は、友人にすすめられた一冊をそこで読み、人生の本当の意味にめざめていったということです。
その本とは、こちら。
キリスト教の教えをもとにした啓発書ですが、Godを好きな言葉に置き換えれば、誰の心にも染みていく言葉が連なっています。
宇宙の意志、ハイヤーセルフ、天、いろいろな言い方が選べると思います。
人生は、あなたにとって「どんな意味」を持っているか?
私は原書で読んでみたのですが、その中で、人生をどう例えるかで、人生の見え方が変わる、ゆえに生き方も変わっていくのだという節がありました。
例えば、聖書が教えるのは、こちらの3つのTです。
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Test(試練、試される場所、学びを得る場所)
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Trust(信託、預かりもの、返すべきもの)
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Temporary Assignment(一時の任務、任地)
それぞれについて、詳しく例を交えながら、聖書も引用しつつ、語っているのですが、実に、どれも切実に、心の奥底に響くんですね。
仏教をベースにお話になる稲盛和夫さんや、世界中の知恵を平易な言葉で語り継ぐ斎藤一人さんらの言葉と、見事に重なることばかり。
ただ、不思議に思うのは、この本の出自国でもあり、大多数がクリスチャンのアメリカという国が、ここで教えるようなこととは真逆の「利己的な」特徴が際立つ社会である、ということです。
子どもの頃から教会へ通い、こんな話を刷り込まれてきたら、全員がマザーテレサみたいに育ちそうなものだけど、そうじゃないのが現実で…。
私のもとには、成功したい、もっと稼ぎたい、もっと幸せになりたい、と願う、多種多様な方が訪れますが、どうしても多くの人の目は、即効性のある「テクニック」や「手法」「ノウハウ」に吸い寄せられがち。
でも、名声を得ても、お金を得ても、「自分なんかこの世にいないほうがいい」と死を考えるようなことにもなりうるわけです。
今回のマイケル・フェルプス氏の活躍は、そういう意味で、何重にも意味が深いんですね。
オリンピックは、こういうドラマをたくさん見せてくれるので、目が離せません。
まだの方は、ぜひこちらのブログも参考にされてみてください。ご紹介しているマイケル・フェルプス氏の苦悩と再起を語るビデオが秀逸です。(英語)
参考 マイケル・フェルプス 記録の秘密。自殺の危機から救った一冊とは?