千日間48キロの山道を登って降りて千日回峰行の修行を完遂した住職のハワイ講演会(その2)

塩沼亮潤執らわれない心  日本人の生き方の原点に立ち返れ!

この記事の前編「9日間、寝ない、食べない、飲まない、横にならない。過酷な千日回峰行に耐えた住職のハワイ講演会に参加(その1)」では、塩沼住職が行ったふたつめの厳しい修行「四無行」について書いたのですが、その前の千日回峰行が何と言っても、凄まじいものなのです。

吉野・金峯山寺を拠点として、吉野山の頂上まで48キロを毎日、16時間かけて往復。道すらない山だし、一歩間違えば崖を転落。そして熊やイノシシに加え、マムシまで出てくる危険性もある。

そして熱が出ても、下痢しても、1日たりとも休むことは許されないのです。休んだら、そこで切腹。死を覚悟して望む4カ月(120日) X 9年の長い長い修行です。

⇒ 参照:「9日間、寝ない、食べない、飲まない、横にならない。過酷な千日回峰行に耐えた住職のハワイ講演会に参加(その1)

実際、崖を御馳走になったり、熊に遭遇したり、高熱で下痢が続いたり、死と背中合わせの体験を何度もされています。栄養失調で爪がボロボロもなるんだそうです。夏は逆に猛暑になるので、脱水症状からか血尿も出るのだとか。1日の睡眠時間はわずか4時間半。人間の体力と精神力の限界に挑む修行ですね。

それでも、1300年でたった2人しか成し遂げていない偉業をこなされることを疑わず、淡々と続けてこられたのだそうです。その続けることに、意味があるのだとか。

住職は、講演の中で、おっしゃいます。

人間には3つの言葉(心)が必要と。

「ありがとう」

「すみません」

「はい」

このことを中心に、あのTED東北大会でお話になったビデオをご覧いただけます。それにしても、お話がさすがに上手です。淀みなく、分かりやすく。何も見ないで淡々とお話になります。これからも世界でどんどんお話をされていくご計画のようです。

TED出演は、2014年10月。貴重な学びを共有してくださっているので、ぜひご覧ください。ハワイでの講演は、この3倍以上の時間があったので、修行中のご苦労を、リアルに伝えてくださって、心に染み渡りました。

最後のQ&Aで、「終わった時にどんな気持ちでしたか? さぞ達成感があったことかと想像しますが」という質問があったのですが、「いえ」というお答えにビックリしました。

夢はいつもふたつ同時に持つことにしているのだそうです。ひとつ叶えてしまったら、すぐに次に意識が迎えるようにと。

山に入って修行を始めた時に、すでにひとつの夢は終ったも同然。なので、早く終えて次の夢に向かって進んでいくことが楽しみだったので、満行の時には意識はすでに四無行の方に移っていたのですね。

この、「夢は複数持て」というのは良いなあと思いました。小さな夢は意外にすぐ叶ってしまったりするもの。そこに集中するのは大事だけれど、そこで燃え尽きてしまっては、長い人生もったいない。

だから、ひとつ叶えたら、また次の大きな夢を描いて、常に挑戦し続ける心を持ちたいですよね。

中身が濃すぎて、とても全部は書ききれません。書籍もたくさん出されていますので、ぜひご一読ください。

塩沼先生のサイトはこちらです

http://www.jigenji.net/jyusyoku.html

http://www.jigenji.net/

吉野・金峯山寺