先週の「グリー」は、ニューヨークのゲイに対するヘイトクライムのことがテーマになっていた。偏見の多い地域ではなくて、LGBTの人口も多く理解が深いだろうと思われている大都市での犯罪だから、とてもやるせないと登場人物に語らせている。
今日見たウェブサイトの記事では、全米のヘイトクライム組織は実際に増えていて、とある統計では939あるという。この数は2000年と比べて60も多いのだそうだ。
上の写真はKKK(クー・クラックス・クラン)と呼ばれる団体で、白人至上主義を掲げ、古くは黒人を、最近では増える一方のアジア人やメキシコ人、LGBTなども対象にされることがあるという。
余談だが、僕がKKKの存在を知ったのは、1988年のアメリカ映画「背信の日々(Betrayed)」を見てのことだ。ただ主役の俳優たちが好きだから見ただけなのだけれど、実際にはアメリカ社会の奥底に潜む病巣を描いた良い作品で、見終わってやるせない気分がしばらく続いてしまったほどだった。
KKKについては、アメリカに来てからも、あまり人々の口に上ることはないし、メディアなど公の場に出てくることも僕の知る限りはない。未だに彼らは映画のように“ハンティング”をしているのだろうか。
日本でも今、ヘイトスピーチが問題になっている。暮れに行った時は某国大使館のすぐ側に宿泊していたせいで、毎日のようにスピーカーから流れてくる、幼い子どものケンカのような汚く稚拙な言葉を大音量で聞かされて心がドロドロに淀んだ。あんなに人の心に悪影響を与える行為を取り締まれない法律なら、法律を変えればいいのにと思う。
下記はつい先日、Twitterでリツイートされてきたものだが、まったくもってやるせない。
宇治市ウトロで行われた差別デモを見つめる地元の子供達 pic.twitter.com/UNgdLGybbW
— 秋山理央 (@RIO_AKIYAMA) 2014, 4月 13
憎しみは「未知のもの」への恐怖によって導かれる。「スターウォーズ」の中でヨーダが言ったことは、自己啓発書などでも引用されることがある。
Fear leads to anger. Anger leads to hate. Hate leads to suffering.
「アナと雪の女王」でも、恐怖や心配というネガティブな感情がある時には、魔法の力も凶器にしかならなかった。最後にすべてを癒やしたのは「無条件の愛」。
All you need is love。
すべての隣人に愛情を持って接し、知ろうとすることで「未知への恐怖」は消える。そして世界から憎しみも消えていく。愛の反対は無関心だ。