ハワイの友人のセミナーをプロデュースする、というプロジェクトをやらせていただいていて、日本では軽く1万円とかいただいている内容なので、まあそれほどの高額セミナーはなかなかないロサンゼルスだから、多少安めにして前売り75ドルでどうかな、と決めたのが昨年のこと。
そう、今週末から始まるイベントですが、仕込みは昨年からすでに始まっていたんですよね。
セミナーといえばだいたい15ドル~35ドルくらいの範囲が多いのが、ハワイやロサンゼルスなどで行われる海外在住日本人対象のイベントの常識。
え、こんな有名な方の講演が?と驚くほど、安かったりすることもあります。それはちょっと失礼では?と心配になったりすることも、たまにあります。
自分もメディアを経営するものとして、過去にはたくさんのセミナーや講演を企画、実行しましたが、値段設定にはいつも苦労しました。
ただ、設定が低いからたくさんの人が集まる、ということもなく。逆に、高いから来ない、ということでもなく。
じゃあセミナー参加の決定要因はなんだ、ということになるわけですが、1)宣伝の行き届き方、2)内容への関心の深さ、3)レア度、4)タイミング、5)日時設定などなど、複雑な要因がからみ合って成り立っているみたいですよね。
今回は、あちらこちらから、さんざん「高い」と言われました。
まあ、十分に想定の範囲内です(笑)。
ロサンゼルスだと、せいぜい35ドルよねえ、とか、面と向かって言われたりもして。
でも、高い、安いは、本当は個人の主観なんですよね。
相対的なものじゃなくて、絶対的な価値観に基づくもの。
75ドル、というのが、セミナーとして高いか安いかを決めるのは、個人個人の価値観です。
今、この情報が必要!と思えば、来る。これを参考にすれば「すぐに元が取れる!」「今すぐ悩みが解決する!」と思えば、別にいくらだって高くはないわけです。
必要と感じない人は単に無駄なコスト(経費)だと考えてしまうのだろうし、必要な人は、それを投資として考えるでしょう。
そのどちらとして考えるのかで、まったく出せるお金、出したいお金も変わってきます。
決して、額面の数字が問題なのではないんですよね。
自分は、アメリカのインターネット・マーケティングのとあるオンライン講座を、2400ドルで購入したことがあります。
1週間のワークショップにも匹敵するボリュームがあるものでした。
日本円で言うと、当時の為替だと30万円くらいですね。
でも、そこで学んだことを実践してみたら、その分くらいはすぐに稼げてしまったりもしたんですよね。
クライアントさんにも、ある程度、その分野のことを体系立ててお話ししてガイドすることもできたりするのは、そんな学びの体験を重ねてきたからでもあります。
それらは明らかな投資であり、これからも、その知識を利用して、もっともっと利益を積み重ねていけると思えば、決して高いとは感じないのです。
ライフコーチのセッション価格も、始める前からいろいろ言われています(笑)。
高い、という方もいます。そんなの個人が払えないわよ~って、思い切り言われたこともあります。(なぜかいつも女性口調ですね)
が、実際、払ってくださっている方々がちゃんといらして、彼らを見ていると、普通のお仕事をされている、普通の収入の方がほとんどだったりします。
皆、未来に向けて、自分に投資しているんですよね。決して、コストじゃない。
いずれ、それが何倍にもなって返ってくるから、いいんだと信じてくれている。
だから、こちらも、それに応えなくては、と、結果を出すために、真剣勝負です。
稲盛和夫さんが主宰する経営塾「盛和塾」では、経営の原点12箇条というのがありまして、その中に「値決めは経営」という項目があります。
市場の価格、競合の価格などを見ながら、市場が払えるぎりぎり高い価格をつけることが大事だと、講話の中でも教えていただきました。
そういう値段設定ができて初めて、経営に「余裕」が生まれるんですね。
自信がない人は、常に価格競争に巻き込まれて、疲弊していく。筋肉質経営をするには、十分な利益を確保することが必要です。
もちろん、そういう思い切ったことが自信を持ってできるだけの「クオリティ」を保証しなくてはいけないということでもあります。
問題は、やはり購入した後の「満足度」ですから。
おかげさまで、高過ぎる!と言われたセミナーも、たぶんそう言った方々がびっくりするほどの参加者さんが集まっています。
値段の高い、安いって、額面の数字じゃないんだよね、とあらためて思います。(今回は、いろいろな意味で実験的なことをいくつかしてみて、検証になっています。)
高いって言ってる人だって、ブランドのバッグや靴を買っていたりします。最新のアイフォン持ってたりもします(笑)。
スパに行ったり、ネイルをきれいにしたり、自分にとって価値がある、ということに、お金を使っていて、それはでも他の人から見たら、明らかな無駄使いに見えていたりすることかも、しれません。
価格をつける立場になったら、「値決めは経営」の原則を忘れてはいけませんよ、と、クライアントさんにもお話します。
自信がないと、つい安くしがちです。
でも、人は安さにつられてくる(買う)のではないのです。少なくとも、未来につながる良いお客様は、決して相対的な価格の低さにつられて集まる人々ではない。
自分が提供するサービスの「価値」を信じて、自信を持って真っ向から勝負しましょう。