ふたりでいると、早くひとりになりたいと思うのに、ひとりになると、途端に傍らに気配を感じたくて、未完成な自分になってしまいます。
未完成な自分はいつも心細く、寡黙で、どこか退屈。
ジョギング中に転んで擦りむいた膝の傷が1日ですごくきれいになったのに、見せて一緒に喜んでくれる人がいない。
トイレのタンクが壊れて水が流れっぱなしだったのを、修理の人が来て5分で直していったことを一緒に喜んでくれる人がいない。
たくさん作りすぎたカボチャのスープにカレーペーストを入れたら、ものすごく深い味わいになったのに、一緒に喜んで食べてくれる人がいない。
そんな日々にも、実際のところ、すぐに慣れてしまうのはよく知っています。
だけど、慣れた後の世界は今と同じではなく、色彩を失くした、似て非なる景色しか存在しない別な場所だったりするんですよね。
ま、そんなことを再び確認できたのも良い体験でした。
また一緒に暮らし始める日も近いんだろうな、と思うものの、さて、どこで?というのが問題か。
ロサンゼルスかハワイか、はたまた別な場所か。
それは困っていることというよりも、なんとなく楽しげな、贅沢な悩みではあります。