ライフコーチとしての仕事をしている時に、たまに、自分でもハッとするほど良い言葉を口にしたりします(笑)。
言いながら、あら、この言葉いいじゃありませんか、とメモしようとするのですが、たいていそういう時は熱くなっているので止めることができません。ちょっと待ってね、ってやってる場面じゃなくて、相手にもビンビン響いている瞬間なので、今だー、鉄は暑い内にー!っと、畳み掛けていくわけです。
そして忘れちゃう…。
でも今日はFacebookのメッセージでのやりとり中だったので、さっとコピペしてEvernoteに貼り付けて残しておきました。
まだ30歳を過ぎたばかりの若い友人と、大きな夢のあるプランをブレーンストーミングしました。仕事がつまらない、やるべきことに全然取り掛かれない。そうやって自分を責めてばかりいた彼ですが、良く聞いてみると、悪いのは会社の方。意図的ではないにしろ環境が劣悪です。
「そんなの、早く辞めちゃいなよ。」
最近、こういうアドバイス良くしてるなあ、何度目だろうと、実は心で苦笑。同じことを30代前半女子にも言ったな。劣悪な仕事環境で、何年も耐えに耐えて身体まで壊しちゃって、何やってんだよ~って、辞めることをアドバイスしました。
日本の人って、何か「我慢が美しい」と思ってますよね(笑)。我慢しなくちゃいけない。やる気がない自分が変。文句は言っちゃダメ。おかしいのは自分…。ここから何かを学ばなくちゃって。
まるで「巨人の星」の明子姉さんみたいに(例えが古い…)、ちゃぶ台ひっくり返されても柱の陰でシクシク泣くだけみたいな感じ。「おしん」の頃に価値観が戻っているのでしょうか。人生を自分の手で変えようとしないことを不思議に思っちゃいます。そのスイッチやセンサーが少しずれてしまった感がありますね。
日本を出て海外で暮らそうなんていう、はみ出し者の社会で20年も暮らしてきたから、日本でずっと暮らしてきた日本の方とは感覚も違ってしまっているかもしれません。それを簡単にアメリカかぶれ、みたいに思われると、そうじゃなかったり。海外在住日本人かぶれっていうか、日本じゃやってけねえよって飛び出た人たちが集まるコミュニティに長く居心地良くいるわけだから、それが当たり前の状態になってしまうわけです。
話は戻りますが、そんな日本社会の中で、とっても良いものを持っているのに、出し切れていない若者がいるのがもったいなくて発破をかけまくっております。先日の彼もそう。
最初はどうしたらいいんでしょう…みたいな暗いトーンだったのが、ある時点からグイグイと顔が明るくなってきて、あれ、自分、何か見えたかもとキラキラして帰って行きました。
後からメッセージでフォローした時にも意気揚々として「今の自分には壮大なスケールに見えるので、何もできないまま終わらないように、チャンクダウンして取り組んでいきます!」と言ってくれました。
チャンクダウンとは、NLPのテクニックで使う言葉で、大きく手強そうなイメージのままでなく、小さく小さくブレイクダウンして、チャレンジを取り組みやすくしていくことです。例えば、テニスのサーブを打つ、という行為を、ラケットを握る、ボールを握る、コートに立つ、相手の方向を向く、ボールをトスする…というように分解して考えると、ひとつひとつは、それほど難しいことではなかったりします。心理的なハードルがグンと下がって、バラバラになら取り組みやすいはず。
そこで僕が言った言葉がなかなか良かったのですよ。
「どんな状況にあっても、『今できることは何か』を常に考えることだよ。今にフォーカスする。足を止めない。歩き続けている限り、マラソンだっていつかゴールできるから。」
3時間半を切ろうと努力して、最近、ゴール付近で歩いてばかりいる挫折感いっぱいの人らしい、シリアスなセリフです(苦笑)。
でも本当に、何度も何度も練習では「これ以上、走れない」状態になって、1-2時間も歩いて遠い道のりを帰ってきたこともあるわけです。レースでも、力が入らず、あるいは足が痙攣してしまって、もうダメだ…と、リタイアを考えたことも何度かある。
でも、足さえ止めなければ、いつかはたどり着ける、と言い聞かせて、一歩一歩、淡々と歩み続けます。すると、本当に、ゴールは見えてくるんですよね。その内、体力が戻ってきて、ジョギングが始められたりもして。ああ、諦めなかったから、またちゃんとゴールできたって実感する。
その実感の積み重ねを経験すると、諦めるなんてこと、できなくなるんです。いつかはちゃんとゴールできると信じられるから。
そうやってフィジカルで体感したことって、潜在意識に深く刻まれる記憶になるようで、スポーツではない場面でも何度も思い返しては、継続する力になっています。コツコツ、コツコツ。淡々と。それが何よりも強いんです。
足を止めない。何が何でも、足を前に進め続ける。そうすれば、疲れが取れた時に、ちゃんとまた走り出せるから。
写真は、かなーり良い状態で走って、良い成績が残せた「ハリウッド・ハーフマラソン」のゴール風景。
スーパーマンがお出迎え(笑)。メダルも、スターの形で気が上がりますね!