その昔、団地の中には粗大ごみ置き場、というのがあって、いつでもそこにモノを出せば持って行ってくれたりしました。その内、それが日付指定となり、申込制となり、粗大ゴミ置き場が駐車場に変わってからは、階段の下に申し込みをして受付済みのものだけ、持って行ってくれるような仕組みになりました。それも月に一日だけ。
今回は父の友人らでもある自治会の方々が家に来て、捨てるものを計測して手続きについても教えてくれたのですが、千葉市の例で言うと、こんな手続きが必要のようでした。
【粗大ごみの回収について】
まずはネットで予約する。
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予約した分だけ、持って行ってもらうための手数料を払ってステッカーを買う。(コンビニなどでOK)
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とまあ、書くと簡単なのですが、もちろん大量に出すとなると、とてもたいへんです。今回は大きな箪笥が2つ、背の高い茶ダンス(という言葉は今でもあるのか?)が1つ、背の小さな台所用小物置きが2つ、1メートルくらいの高さの整理棚が2-3個、小さな整理棚が1-2個と、一度に出せる10個、ぎりぎりな感じ。
そこに入っていたものはすべて処分され、段階的に廃棄していたわけですが、ついにこの日が来て、入れ物を処分することができました。
しかしまあ、あいにくの台風が訪れるという雨の朝。朝7時くらいから、妹と2人で引き出しからスタートし、小物からスタートし、あとは大物2つ、という状態になり、自治会の方がお手伝いに来てくださって、すべてを階段の下に下ろすことができました。
こんな雨に来るんだろうか…?と懸念していたのですが、9時くらいだったでしょうか、やってきました。回収車。
バリバリ・バキバキ・メキパキボキ…
激しい音が暴風雨の中で鳴り響きます。我々、てっきり大きなトラックがやってきて、荷台に乗せて帰るのかなと想像していましたが、まったく違いました。
上のような普通のゴミ回収車みたいなもので、でも横に「粗大ごみ」と書いてある小型のトラックが階段の目の前に停まっています。それは、パワフルな圧縮機がついた、ローテーションする普通の回収車なのです。
おふたりがいらしていて、ひとりが引き出しや小さな棚類をどんどんトラックに突っ込んでいきます。するとまずはグイッと上下から挟み込んでクラッシュ。ガラス戸もなんのその。バキバキ、ガシャンガシャンと音を立てて一気につぶします。そしてローラーがぐるぐると回転して、トラックのお腹に飲み込んでいく。
ええ!壊して粉々にして持っていくの?と初めて知った瞬間。だから、そんなスゴイ音が反響していたのでした。
無駄なものは世界にあふれていて、これらのものをいちいち再利用してもしょうがないのでしょうか。「薪にする」という噂も聞いたのですが、でもガラスも一緒に粉々にして持っていくところを見ると、それはどうなんだろう…とふと疑問に思いました。
廃棄した、その先の行方はわからずじまいですが、とにもかくにも、大きなスペースが家の中にでき始めています。介護用のベッドを入れる、万が一の時には車いすが入れるようにする、という前提なので、まだまだもう少し整理する必要はありますが、断捨離が大きく進行し、「気の流れ」が目に見えて良くなっているようです。
掃除が不可能な状態で何十年も過ごしていた部分があり、そこがぽっかり空いて、重曹使ったりして、汚れを根本からきれいにしてみると、なんだかはじめて「自分の家」という気がしてきました。
20数年前、整理が苦手な母の代わりに勝手に断捨離始めて泣かれちゃってからというもの、この家にあるものは決して触るまい、と思ってきました。だから、どうしてもここは両親の家であって、自分の家という感覚は持てずにいたようです。
家も部屋も、愛情を持って「対話するように」手をかけていくと、それに応えて、快適さと居心地の良さを返してくれるんだなと実感しています。
モノの多さという点ではまだまだなのですが、かなり大きなスペースが見え始めました。物が少なくなってくれば、あとは「お片づけ」の領域になってきます。しまいやすいように、そして出しやすいように。頭使って工夫して、母たちが迷わず気持よく暮らせるようにして、帰りたいと思います。