ライフコーチのセッションをしていると、あれもこれもやろうとして、アップアップになり、結果、何も進んでない、という方に出会います。
というか、皆、程度の差こそあれ、似たような経験をしていますよね。
自分など、本当に欲張りですから、あれもこれもそれもどれも、やろう、できる、きっと!と張り切って、パツーンと討ち死にすることが頻発。
かつては社員にそうやって迫りまくったので、皆も何を優先してよいやら、戸惑ったことでしょう。
それでも、まだ懲りない、重症です(笑)。
ビジネスの戦略を語る時に、よく、こんな言葉を使います。
「やらないことを決めることが、戦略というものだ」
弱者のためのランチェスター戦略などを用いながら語られることが多いのですが、個々の生活の場面にも当てはまること。
優先順位を決めよう!
時間管理をしよう!
集中をしよう!
こういう掛け声があまりにも漠然と響いてしまって、何をどうしたらいいのか分からないってことが多くないでしょうか?
かつての経営者時代も、幹部と良く話していました。
やりたいことリスト、やるべきことリストをホワイトボードに書き連ねていると、もう延々と終わらないくらいに続いてしまいます。
それは、全部できれば、それに越したことはないけれど、一度にやろうとしても、人間の身体はひとつ。かえって効率悪い結果に終わることも多いです。
だから、ひとつに絞る。
僕らのキーワードは、これでした。
「やれたらいいけど、でも無理に今、やらなくてもいいことを、消していこう!」
どうしても、私たちは、「べき」に縛られてしまいがち。だけど、人はそれぞれ違うし、置かれている状況も異なるので、一概に、Aさんの「べき」がBさんの「べき」であるとは限らないわけです。
だから、世間の言う「べき」は、この際、置いておいて、自分たちだけの「べき」に集中する。それも、今、この瞬間の、最重要事項だけに。
そうすると、あれだけ長かったリストが、どんどん削れていくんですね。今のスタッフの数や実力に見合ったものにだんだんと絞れていくのが不思議でした。
集中とは、選択をするところから始まります。そして、「捨てる」ことです。
「断捨離」と考え方は似ているかもしれません。必要?と問い正してみると、「うーん、あったらいいけど、なくてもいいや」が答えなら、処分する勇気を持つ。
本も読みたい、YouTubeで勉強もしたい、英会話も習いたい、ジムで身体も鍛えたい、パートナーと意義ある時間を過ごしたい、会社で出世したい、友だちとご飯も食べたい、飲みに行きたい、ボランティアもしたい…
たくさんある「やりたいこと」リストの中から、「今はやらないでおく」を決めるのは断腸の思いでしょう。
とくに、それらすべてが、自分をより良い未来に運んでくれるような気がする場合には、諦めるのが、一苦労。なかなか、「自分ひとり」では、できにくいものなのです。
先日、日本でも、若いクライアントさんとホテルのカフェでセッションをして、このことがテーマになりました。
そして、たくさんのことを、行ったり来たり話しながら、最終的に、「今はこれだね!」という一点集中すべきポイントが明確になりました。
すると読むべき本の内容も見え、勉強すべきことも分かり、計画すべきことも見えました。
まさに、一点集中。
明るい未来がすっと見え、パーッと彼の顔が輝いた瞬間。嬉しかったですね。
ぜひ、「やらないことを決める」。試してみてください。
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彼女の最新刊、「マーケット感覚を身につけよう」は、すべての方におすすめしたい、今年トップ3に入る名著です。Kindle版もありますので、ぜひ、ご一読を!