日本の方から見ると、ハワイは「日本人だらけ」。
観光客がこんなにいるのだから、彼らに向けてビジネスすれば大儲け! と思う方も多いかもしれないのですが、多いと言っても、年間150万人くらいの規模ですし、とても限定されたマーケットには違いありません。
すでに成熟市場で、たくさんの競争相手が小さなパイをめがけて、ひしめき合っている状況。
そして、為替の変動や、テロなどの国際的な事件、疫病、あるいは原油高騰などを受けて、観光客数は常にアップダウンする性質のものでもあります。
来るはずのお客様が来ない。持っているはずのお金を持っていない。
予測が成り立ちにくい、不安定な市場なのですね。英語では「Fragile」と称されていましたが、観光の事業には、割れ物のような不確かさがつきまといます。
だからこそ、他のマーケットへも売る努力をして、アップダウンを最小限に減らす仕掛けを作っていなくては、たいへんリスクが高いのです。
では他のマーケットとは、何があるのでしょう?
私が考える、常に視野に入れておくべき主な市場とは、以下の5つです。
1.日本人観光客
2.日本在住ハワイファン
3.ハワイ在住日本人
4.アメリカ人観光客
5.ハワイ在住ローカル
1と2の違いは、ハワイに来るか、来ないかです。2をきちんと押えておけば、たとえ旅行市場に何かあっても、日本で売買が行われ続けるから影響は少ないのです。
例えば、ハワイから日本に向けての通販事業。あるいは、日本で支店を出すこと。あるいは、出稼ぎに行くこと、などなど。
3と5は、いずれも住んでいる人を相手にするビジネスなので、旅行がどうなっても、基本安泰なはずです。(景気の問題はついて回りますが)
3の日本人だけだと、市場規模はとても小さいので、長期滞在や、移住希望者、投資家なども含めて、広く考えていく必要があるかと思います。(となると、どうしても不動産回りが主流に…)
あと、日本の方はあまりやりたがらないのですが、大きいのは4のアメリカ人観光客の市場です。
日本人は年間150万人で観光客全体のわずか19%弱。対するアメリカ人は、490万人で、全体の60%を占めています。実に3倍ものサイズの市場なのです。
ご自身の得意、不得意もあるでしょう。ビジネスの特性上、どうしても、市場が限られる場合もあるかもしれません。
しかし、リスクの最小化だけでなく、機会の最大化という意味でも、一度ゼロベースで考え直してみると良いかもしれませんね。
最近では、ここに、他国の観光客という市場も大きくなってきています。とくに中国人観光客市場は、ここでも大きな注目を浴びています。日本同様、3カ月以内の観光にビザが不要とされてから、韓国人市場も伸びています。
ハワイビジネスとひとことで言っても、どの市場を対象に事業を展開するのかで、何をするか、どうやるかがまったく変わってきます。
ぜひ次のハワイ旅行では、そんな風にして、多様な市場の様子を肌で感じてみてはいかがでしょうか。
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