音楽がもっと好きになる新しい関わり方。産業の衰退じゃないよね

internet radio

アメリカにおいて、音楽産業がダウンロード優勢になったことがセンセーショナルに伝えられた時代は、それほど遠い昔ではないはずですが、今やiTunesのダウンロード数が大きく減少中というニュースが流れる時代。「え、もうトレンドが変わったの?」というのがレイトマジョリティのリアクションかと思います。

そのことを受けて、日本で「音楽業界が衰退」というトーンの勇み足の記事が出ていましたが、すぐにそれに対する反対論が出てきました。音楽プロデューサーさんのブログ記事ということで、とてもよく理解できましたし、こちらの方が、アメリカの情勢をより的確にとらえられているかと思います。↓

iTunesの音楽が売れないのは音楽業界衰退の兆しじゃない!
反転上昇のノロシだよ!~「iPhone PLUS by週刊アスキー」の記事が浅すぎる件について

僕自身、昨年iTunesラジオが発表されてから、音楽との触れあい方がまったく変わってしまいました。パンドラは有料じゃないとコマーシャル入るし、アプリとしても使ってなかったのですけど、iTunesはもとからiPhoneにあって入りやすかった。しかもCMはないのです、iTunesマッチに契約しているから。ここも重要なポイント。

ヒット曲が大好きなミーハーなタイプなので、かつては運転中も常にトップ40系のラジオに合わせて聞いていましたが、iTunesラジオができてからは、iPhoneを車につないで、そこから「トップ100」のチャンネルを聴くのがメインになりました。

対ラジオ、ということでは、1)音が良い、2)コマーシャルがない、3)しゃべりがない、4)むやみに同じ音楽を繰り返さない、というアドバンテージがあります。4について言うと、アメリカのラジオのヘビーローテーションって、本当にスゴイですから、嫌気がさしちゃう時もあるのです。

対CD(またはダウンロード)では、1)絶対に自分では買わないアーティストの曲がかかる、2)無料、3)すぐに飽きるので買わなくて得したと思える、などのメリットがある。

さらに言うと、4)自分では買わないけど聞いてみたかった新しいジャンルに気軽にトライできる、5)自分の好みの音楽だけが流れる独自のチャンネルが作れる、6)思わぬ曲順で思わぬ曲が出てくる意外性が楽しい、など、ストリーミングサービスならではの偉大なるメリットもあるわけですね。

実際、iTunesラジオになってから、オペラやクラッシック、ジャズボーカルなどを頻繁に聴くようになって、新しい発見ばかりしています。80年代ヒットやスムーズポップなども時折、気分転換に聴いてみたり。新しい発見をしたいモードか、そうじゃないモードかも選べて、便利なことこの上なし。

iTunesとかスポティファイが出てきたら、パンドラもシェア落としてるのかな、と思うと、このジャンル全体がどうもボトムアップされて、盛り上がっている様子です。パンドラは逆にユーザー数もリスニング分数も増えている。

だったら、やっぱりCD買ったり、ダウンロードしたりが相対的に下がってって当然ですよね。僕もいつも2-3ヶ月毎に出るヒット曲州の「NOW」とか買ってたの、すっかり買わなくなりましたからね。出る頃にはもう聞き飽きちゃってて(笑)。

iTunes, Spotify Aren’t Pandora Killers Just Yet(iTunesもスポティファイも、まだまだパンドラを潰す脅威にはなっていない)

pandora trend

さて、それはすなわち業界の衰退なのか、というと、全然そうではなかった。実際に、音楽業界に落とされたお金は、底を打って再び上昇を始めたとのニュースが、先のブログにも紹介されています。

音楽との距離はますます近くなり、再び生活に入り込んできた印象を僕は持っています。それはまさに「ラジオ」の感覚です。

先日もパーティの間中、最新ヒットチャンネルをずっとかけっぱなし。もう来る人たちに合わせて持ち曲の中で苦心してプレイリストを作るなんてことをしなくても良くなりました(笑)。それはそれで楽しかったですけどね。