「10 Reasons Why I Ignored Your Resume(あなたの履歴書を無視した10の理由」という記事を発見。自分も長らく採用側の人間として無数のレジメ(履歴書)を見てきたので、それなりに一家言を持っていたりします。興味津々で記事を読んだら、なかなか面白かったので共有します。これは「マーケティング部」への志望者ということに絞って書かれた記事です。
今どきのアメリカの熾烈なジョブマーケットで勝ち抜いていくには、気をつけるべきところがちょっと違うんですよね。スペックが良いのは当たり前。っていうか、スペックなんて、実際、働き始めてみるとどうでも良くなってしまう。それよりも、情熱やポテンシャルを見せつけること、「私は違うのよ」って差異化を見せつけることが大事。
言葉がカッコイイせいか、アメリカでは「マーケティング」を志望する人は後を絶ちません。でも、その素質があるかどうかは、今の時代、結構簡単に見えてしまう。あなたが気づいていないところで、人事担当者はこんなところを見てるんですよっていう意味で新鮮なはず。
マーケティング志望者が履歴書で落とされる10の理由と、僕なりの解説を書いてみました。これはでも、他の職種であっても共通することも多いので、参考にすると良いと思います。(出る釘は叩かれる風潮がまだまだ日本にあるとするならば、それは事情がちょっとだけ違うでしょうけれど。)
1.メールアドレスがHotmailやAOLである
うーん、いずれも旧時代な感じですよね。今どきGmailであってほしいなと。プロバイダーのデフォルトフリーメールを使うってのも、リテラシーが低そうで不安です。やっぱり今は、Gmail。しかもふざけたアドレスじゃなくて、仕事用にきちんと名前に近いものを設定して履歴書に書く良識はほしいですね。マーケティングに携わる人は最先端でないとね。
問題は「不安を誘う」ってところです。実際の姿などわからない時点での話なんだから、まずは「最先端ってどういうものか知ってるよ」ということを形に表して、安心させてあげないと先には進めません。
2.グーグルで検索しても、何も出てこない
今やソーシャルメディアの時代。名前を入れたら、ポンっと何か出てきてもいい。出てこないのは、何もネット上でやってないってこと。そんな「時代遅れな人」がこれからの時代にマーケティングの世界で活躍できるわけがないと企業は判断します。当然ですよね。
とくに若い人に期待されてるのって、「コンピュータに強い」「ソーシャルメディアに強い」ってことだったりする。インターンで日本から来る学生にもよく話したのですが、若いってだけでIT系が強いって期待されてるんだぞって。50歳過ぎた社長にEvernote とか教えてもらってるようじゃダメなんだよって危機感を煽りました。通じてたかな…。
さて、このあと3つもソーシャルメディア関連です。それほど、今の人事担当はネットであなたのポテンシャルをチェックしているし、そのポテンシャルは、SNSの分野で発揮してほしいと思っている。
ということは、いくら面接でごまかそうとしても、日頃の行動から適正などすぐに見えてしまうのです。これからマーケティングを志そうという人がSNSの最先端を行ってないなんて、とても戦力として信用できません。何でも自らが「身を持って体験」しないと学びなんてないからです。
3.最後のツイートが2011年のものである
4.Facebookのプロフィール写真がおふざけもの
5.LinkedInのプロフィールがセルフィー(自撮り)
6.履歴書上の唯一の数字が、電話番号
そう、アメリカの履歴書は、日本で言う職務経歴書のこと。それは「職務」を羅列するのではなく、あなたというビジネスパーソンを売るセールスレターの機能を果たしていないといけないわけです。そのためには、事実を羅列するのではなく、アチーブメントをストーリーとして臨場感あふれる形で記し、アピールしなくてはならない。
あくまでも「プレゼンテーション」なわけですね。企業がほしいのは、売り上げを上げる人、顧客を増やす人、コストを下げる人、ゆえにプロフィットを上げてくれる人。すべてが数字なわけです。過去にやってきたことを、「成果」として数字に変えて、グッと惹きつけるほど強力な売りにしていかねば、電話はかかってきません。
イベントやCMを作ったりするマーケティング部のスタッフがプレゼンの演出が下手だなんて、ありえないですよね。
7.意味のない専門用語を使わない
成果は、誰にでも分かる形で、すっきりと端的にストレートに表現すること。カッコつけてビジネス用語を並べ立てても、臨場感もなにもないし、空虚なままです。コミュニケーション能力もマーケティングの重要な才能のひとつ。
8.大学を出てから何も書いてない
これは、SNSだけではなく、ブログやMediumなどの記事出品など、とにかく文章を書いて発信しているかどうかということです。
Every single person on our marketing team does some form of content creation, so we need people who are exceptional and committed to publishing or producing content early and often. (うちのマーケティングチームは全員が何らかのコンテンツクリエーションに関わってるんだ。だから我々は素早く、そして頻度高く、優れたコンテンツを発行したり、生み出すことにコミットした人がほしいんだ。)
この言葉がすべてです。
9.同じ会社のいくつもの違うポジションに応募してくる
数撃ちゃ当たるとばかりに、たくさん応募してきても、どれが本当にやりたいものなのかがわからない。職の詳細がわからないのならば、人事に問合せてみてもいい。無闇矢鱈に出すのは、本気度を疑われてかえって逆効果。
10.検索して会社や事業を調べてない
ありきたりのカバーレター(アメリカではレターを添付するのは常識)で、何も訴えるものがないとしたら、本当に意味がないですよね。皆、テンプレートをコピペしているだけで、会社のことも理念も人事責任者のことも何も理解しないまま、闇の中で手探りするような感じで応募している。
人の心に打つことがマーケティングの仕事なのに、これじゃあね…。
もうどれも当たり前のことばかりですよね。僕がこの他に入れたいことが、簡単なことだけでも、あと5つあります。マーケティングの世界だけに留まらない、基本中の基本なんですけど、それはまた次回にまとめます。