まあ、とりあえず始めてご覧よ
英語コーチの合宿中、同胞たちから、いろいろと質問が講師に飛び交いました。
まだまだ、ひとり起業して間もない面々が多く、中にはまだ始まっていない人もいて、質問もその分、「仮定」の話が多かったかな、という印象。
こういうときは、どうしたら?
こんな風に言われたら、どうしよう?
よくあるのが、「税金はどうするのですか?」「会社組織にした方がいいのでしょうか?」という質問。
それは、始める直前にちゃんとした専門家に聞けば、一瞬で解決することだし、お金儲けの本質とは、何一つ関係のないことだったりする。
なのに、遥か手前で、思考をブロックする要素になっちゃうようですね。
今、この段階でフォーカスすべきは、まったく別なことなのに。
心配なのはわかるけれど、それもこれも、始めてみると、いろいろと具体的に見えてくるものなのです。
そして、絶対に振り返って笑います。
「私、なんか全然、どうでもいいこと気にしてたわ」ってね。
お客様の言うことはきいてはいけない
有名な本で、私もこれで開眼したのですが、一見、逆説とも思えることが、正しいという一例がここにあります。
え、少しでも売上がほしいのに、それを「断る」なんて!?
と思う方は、たぶん営業をしたことのない方なのでしょう。
いや、営業の現場にいる人でも、知らないことが多いかもしれません。
お客様は神様です、という言葉があったくらい、お客様の言うことは絶対、という風潮があったのも事実。
それが昨今の、モンスターカスタマー、モンスタークレーマーの流れを生んだのか。
中には、対処の仕方を間違えて、怒りを増長させてしまうこともあるかもしれないけれど、たいていの場合、原因はここにあります。
期待値のズレ。
間違った期待をした人が、それが手に入らなかったと勝手に怒るケースはとても多い。
それは、そういう期待を起こさせた自分が悪いのです。
たくさんの人に振り向いてほしい。
少しでも広い層にアプローチしたい。
せっかくの「お金」をみすみす逃したくない。
なーんて都合よく強欲に考えていると、陥りがちな、罠。
実際には、ターゲット層は絞った方が、リピーターにつながる濃い関係のお客様に育っていくものです。
そこに、「捨てる勇気」も必要になる。
それもこれも、でも、やっていけば、ちゃんとわかっていくことなのです。
聞くのは大事。でも言いなりは別
お客様のおっしゃることを「聞く」ことは、もちろん大事です。
それは、マーケットを知るということ。
人の悩みや痛みや解決したいことに、解決策を提供するのがビジネスなのだから、形はクレームだとしても、そこに「本当にほしいもの」が隠されていることも多いです。
それに、クレームとは「困ってる」のサインなのだから、それを上手に収めることで、逆に「助けてくれた」印象が残り、顧客との絆が深まったりするから不思議です。
だから、聞くのは大事。
だけど、奴隷のように、何でも言う事きいてはダメですよってことです。
ちゃんと線引をして、ここからここまではできます、でもこの先は私達にはできません。
それを明確にする。
できるだけ、事前にわからせておく。
それが、信頼を呼び、結果的にクレームを避けることになるのです。
潜在顧客の総数は減るかもしれないけれど、コンバージョン(成約率)は高くなるもの。
そして、わかって買った人は、クレームなどしたりしません。
だって、ファンなんだし、「自分で」決めたことなのだから。
その状態に導いてあげるのが、適切なマーケティングの役割です。
断ることで、ブランドになる
私のサービスは、こういう方向けです、と書いていたとしても、それだけでは不十分なときもあります。
皆、読まないし(笑)、勝手な期待がふくらんでいるときは、とにかく都合良いように解釈しがち。
だから最近、「こういう方には不向きです」という表現を宣伝でする場合もありますよね。
私も、こんな方はコーチングに向きません、なんてことを、あちこちで言っていますし、サービスメニューにも載せています。
間違って入り込んじゃって、それをスクリーニングもしないで受けてしまったら、互いに不幸。
金返せ騒ぎになっても、不毛です。
だからこそ、最初に、断る。
「ここから先は、できません」
「それは、私のサービスではありません」
「私は、こういう方だけを対象にしています」
そんな感じで、やんわりとやるのが、秘訣。
断る、と言っても、「あなたには売りません」と冷たくするのとは違いますよ(笑)。
断れない人の多くは、「これを逃したら他にタマがない」状態だったりします。
この場合の問題は、断る、断れない、じゃなくて、全然、集客がなってないってこと。
その戦略を根本から考え直して、お客さん候補が列を作って待つようになれば、断るのなんて、全然平気になりますから(理論ですよ、あくまで)。
起業とは理想のライフスタイル作りの道具なのだ
起業する背景には、自分の理想のライフスタイルを構築したいから、ということがあります。
だから、ぜひ、ここで今一度、自分に尋ねてみてください。
あなたは、どんなビジネスを作りたいのか?
あなたは、どんな価値観を実現したいのか?
あなたは、どんなライフスタイルを実現したいのか?
それに反することを、お客様は神様です、なんて受けてばかりいたら、
自分も疲弊し、ビジネスも育たず、いつまでも薄利多売で、
奴隷のように働かなくてはいけなくなるでしょう。
目先のお金にとらわれず、ここでも「自分軸」をしっかりと発揮して、できること、できないことを明確にする。
そして、それを、毅然と伝えることで、あなたのサービスがどんどん研ぎ澄まされて価値あるものになっていきます。
お客の言いなりにならない。
お客の言うことはきかない。
なぜなら、お客が何もかもを知ってる千里眼ではないし、あなたの人生の責任をとってくれるわけでもなんでもないのだから。
人生の鍵を、他人に渡してはいけません。
と、毅然とした態度でプライドを持ってセールスして確立された相互リスペクトの関係が基礎にあれば、お客様とは長い長い蜜月の状態が築けます。
それこそ、ビジネスの醍醐味。
どちらが上でも下でもない。
対等な、パートナーシップが構築できるのです。