年間有給5日消化のノルマに困る人々

日本のニュースで、年間に有給5日は、マストで取らせることが決まりになるとかやっていまして、

その中で、インタビューされている人が、こんな風に答えていました。

「営業職だから、難しいと思うんですよね」

「以前に、お客様に怒鳴られたりしたこともあって、でも規則にしてくれたら休みやすい」

おお、怖い環境で働いていますねえ〜。

これ、奴隷制度みたいな響きがします。

そこには、愛も感謝も、ねぎらいも、何もない。

あるのは、労働に対する、わずかな対価だけ。

でも、それが、その方の属する世界では、なぜか「常識」になってしまっている。

だから、疑うこともできない、という。

その、疑うことのできなくなった状態、それを「諦め」と共に受け容れている状態を

社畜、というのでしょうね…

社会のいろいろな場所から、「おおらかさ」のようなものが消えてしまったようで、ちと辛い。


以前に、連続休暇は、どのくらい取れますか? なんて質問をしたら、

連続休暇は何日取れますか?

「取れる」環境の方から、うちは結構、すごいんです、とコメントいただきました。

日本の米系企業の女性など、3週間、平気でオーケーなんだそうです。

上司も3週間、そしてそれとかぶらずに、自分も3週間GWをはさんで取るので、

「私たち、1ヶ月半も会わないんです!」と笑っていらして。

でも、アメリカだと、あるあるな感じかな。


アメリカとヨーロッパの休み方を混同する方も多いようですが、

アメリカ人のお休みは、あくまで有給を使った休み方で、年間何日、と決まっています。

もし、1〜2ヶ月バカンスで、なんて言っている人がいたとしたら、それは会社員ではありません。

自営で仕事している人が、日本よりもはるかに多いですからね、

だとしたら、いつ休んでも、それは自分次第、ということになります。

自分が自分のボス(上司)になるというのが、アメリカ人の目指す第一歩。

それは、時間と決断の自由を、自分の手元に置いておきたいからなんですよね。


社会(あるいは会社)全体がお休みになる日数は、日本の方がアメリカより圧倒的に多いです。

有給を許可する度量のない上司ばかりで、制度そのものがなし崩しだから、

「みんなで休めば怖くない」状態をお上が作ってあげている。

でないと、レジャー産業が発展しない、人がお金を使わない、経済が回らないってことなんでしょう。

いつまでも、国民はお子様扱いですね(苦笑)。


うちに子犬が来てから、もうすぐ4ヶ月。

だんだん慣れてきましたが、それでも一日に取られる時間の量ったら、

これまで自由に大人だけで生きてきた私には、考えられないほど。

会社に雇われてたら、これはできなかったなあと思います。

だから、今の状態だからできる、このことを、大事に大事に味わおう。

そう思うと、「時間をある程度、自由に使える裁量がある」ってことが、

自分の優先順位としては、とっても重要なのかもしれないと、再確認するのです。