僕は子どもの頃から本が友だちみたいなところがあって、大量に本を必要とする子どもでした。
親も、本だけは何も言わずに買ってくれたのですが、好きな本は何度も読み返したので、経済的だったように思います。お話の世界の中で、たくさんのことを教わりました。おかげで、ちょっとませた子どもに育ったかもしれません。
ずっと小説やエッセイばかり読んで育ちましたが、40歳過ぎてからは、徹底してビジネス書しか読まなくなりました。
読書はプロのビジネスパーソンにとっての「自主トレ」
人によっては、本ではなく、実体験重視の人もいるし、実際、アメリカでもBook SmartとStreet Smartという言葉があって、本から理屈ばかり学ぶより、実生活から生きた学びを得られる人を尊重するようなところもあったりします。
こんなに本ばかり読んでいてもしょうがないのかなあ、と迷っていた頃に出会ったのが、その後、「レバレッジ・リーディング」で人気著述家としての道を突き進んでいった本田直之氏です。
彼は年間400冊という本を読むことで知られており、多読のメリットについて語ったのが、このデビュー作。ハワイと日本のデュアルライフを始める前の年くらいに知り合って、ハワイ時代は尊敬すべき友人として親しくさせていただいてきました。
「レバレッジ・リーディング」で最も印象に残る一節は、プロのスポーツ選手は、試合で最高の結果を出すために猛練習を欠かさないのに、ビジネスパーソンは、なぜ「練習」をして自分を鍛えようとしないのか、という箇所でした。
会社に就職すると、お金は自動的に毎月、銀行に振り込んでもらえるものとなりますが、それは9時から5時まで(あるいは残業も含めて)の労働の対価としてもらっているお金であって、それ以外の時間は何をしようと自由です。ある意味、時間を切り売りいて報酬を得ているようなものかもしれません。
でも、会社で仕事をしている時間とは、スポーツ選手でいう「試合」のようなもの。本番です。そこで最高の結果を残すために、「練習」をするのは当然という発想はとても新鮮でした。
良い会社は、人材教育を就業時間の中で行ってくれますし、時に合宿のようなものもあります。セミナーに活かせてくれたりもします。だけど、それは仕事の一部でもあるし、社員に平等に与えられるものでもある。もっと自分だけに必要な勉強をする「自主トレ」の時間があっても当然なのではないか、と僕も考えるようになりました。
自分でセミナーに行くのもいいけれど、本のコストパフォーマンスは圧倒的に高く、他のどの選択をも凌駕します。手軽で、そして中身が濃くて、いつでもどこでも読むことができる本は、最強の自主トレ・ツールです。
僕が本を必死で読んでいた背景には、「誰も教えてくれないから」という事情もありましたが、MBAのプログラムを出たことで、「勉強の仕方」を教わったからということもありました。1回の授業で、ぎっしり細かい文字が詰まったテキスト100ページくらい進んでしまうMBAのクラス。授業までにきちんと読んで理解しておかないと、そのクラスのディスカッションには入れなかったりします。時に抜き打ちのテストがあったりします。だから、必死で読みます。朝も晩も土日も関係なく、図書館にこもって英語の活字を追いかける日々でした。
ああ、これが勉強するってことなんだ、と初めて実感する30代半ばの体験でした。
知りたいことがあったら、自分でリサーチをする。成功したければ、まず自分を鍛える。MBAのプログラムを通じて、勉強をすることの楽しさと意味を教えてもらい、自身の成長を体感できたからこそ、成功のための自主トレは「当たり前」と認識できるようになったのだと思います。
本を読まない人と読む人の差はやがて大きく現れる
ハワイでもロサンゼルスでも感じるのは、いかに本を読まない人が多いかということです。本田氏の年間400冊には遠く及ばないものの、週に3冊、年間150冊は軽く読んできた自分にとっては、ヘタすると一冊も読まないという人がいるのに驚いてしまうのです。かつての社員たちも、マネージャークラスであっても、聞いてみると「ゼロ」回答が多くて残念に思いました。
本を読む人と読まない人との差は、すぐには現れないかもしれませんが、年月を経るごとに成長曲線として現れてきます。複利の効果のブログ記事でも書いた通りで、未来の自分への投資活動なんですよね。人生を長期スパンで考えられている人はコツコツとできるのですが、そうでないと、目先の楽しさに溺れてしまいます。
日本でもビジネス書、自己啓発書が当たり前になってから、ずいぶんと時間が経っています。厳しい社会情勢からリストラも一般的になり、平均年収も下がり、再就職だって厳しい時代。それなのに、ラッシュアワー時に電車に乗って周囲を見渡しても、通勤時間を自分投資に有効活用している人は、ごく稀です。たいした危機感がないようにも見えます。
危機感もなければ、同時に「夢も野望もない」のかな、と感じます。
だから、成功というのは、案外、簡単なことなのかもしれません。毎日、コツコツと積み上げていくだけで、数年後には決して取り返すことのできないほどの開きが生まれている。うさぎとかめ。アリとキリギリス。気づいた時には遅すぎる、なんてことにならないように、セルフ・アップグレードの習慣は今すぐに始めたいものです。
Kindle端末を持っているプレミア会員は月に一冊無料!
日本でも徐々に浸透してきた電子書籍ですが、Kindle端末を持っている人というのは、なかなか聞きませんね。アーリーアダプターのブログなどでは盛んに勧めていて、一度、使い始めると、ほんとうに便利なものなのですが、持つことも考えないだろう人が多いのは残念です。
スマートフォンのKindleアプリでも十分に読書ができるのですが、読書という目的だけに特化して、軽く読みやすくできているのがKindle端末です。たった1万円位で、読書の習慣が快適に身につくのなら、安い投資だなと思います。
そして、実は僕も最近まで知らずにいたのですが、Amazonのプレミア会員で、Kindle端末を持っている人ならば、毎月、限定セレクションの中から一冊、無料でダウンロードできるのです。
1000円~1500円の本がダウンロードできるので、半年ちょっとで端末の元が取れてしまいます。今月、僕が早速ダウンロードしたのは、訳が新しくなって読みやすくなった「完訳7つの習慣 25周年記念版」です。
書籍として買うと、なんと2700円。Kindle版でも1500円なのに、それが無料。素晴らしいサービスではありませんか。
アメリカのアマゾンはもっと進んでてて、月々9ドル99セント(1000円ちょっと)払うと、オーディオブックも含めて、すべて読み放題という凄さです。すべての端末で有効だし、1冊以上読む人ならば、購読制にした方がはるかにお得ですね。太っ腹。
週に1冊読むだけでも、年間に50冊も本が読めるのです。1日数十分の時間を捻出して、まずは年間50冊を目指してみてはいかがでしょうか。読書の習慣は、セルフ・アップグレード成功術で欠かすことのできない重要ファクターです。