すべては必然。起こるべくして起こる。Everything happens for a reason

tls5ハワイでライフコーチについていた頃、僕にとって、一番の悩みの種はスタッフとの関係でした。自分に近い場所にいる役付の社員ほど、こちらも期待するし、でもどうやって育てていけばいいのかも分からないし、彼らからどうもリスペクトされているようにも思えなくて自信はないし。

自信がないから彼らにも強く言えないし、教育のつもりでアドバイスをしているのに、どうも伝わっていない気がして、結果、こちらの意図に沿うようにはチームが成長していかなくて。

私生活の面でも、大いに紆余曲折があり、40にして惑わずどころか、45にして惑いまくり。変に行動力はついてきた頃だったので、とりあえず試しにあっち、こっちと突進しては、壁にぶち当たって大破する、なんてこともしばしばでした。

何重にも複雑にからんだ状況を解きほぐすことができずにいた状態から、心が離れてしまった、ある社員が離脱するということがありました。ある時点から、そうなっていくのだろうなという予感はしていたものの、内外へのインパクトのことを考えても、大きな話です。

1年近く相談に乗ってもらっていたライフコーチに、やや打ちひしがれながら報告すると、遺憾の意を表明しつつも、彼はこう言ったのです。

「Everything happens for a reason .」(すべては必然があって起きるんだよ。)

 

その言葉の意図するところは、ひじょうに深くて、すぐには全部は飲み込めていませんでしたが、それを聞いた瞬間、ホッとするものはありました。要は、なるべくしてなったこと。このことは避け難かったのだ、君だけのせいじゃない、と聞こえたからです。

そして、これを通過することで、ものごとはきっと良くなる、うまくいく、と第六感が教えてくれていました。

今、僕にできる事は、この体験を「学び」に変えることだけ。苦さや痛みを忘れることなく、二度と繰り返さないように、自分を成長させていこうと覚悟を決めることだけでした。

その決意のおかげか、その後、驚くほど平穏なままに、すべては好転していきました。苦い後味を残しはしましたが、自分を何段階もステップアップさせてくれた体験に、感謝の念すら湧いてくるのでした。

そして、その翌年のこと。

NLPのマスタープラクティショナーの資格を与えてくれたトレーナーにも、同じセリフを言われたことがあります。

本来、2週間続けてベーシック編とマスター編とを取るのが通常のため、何とか調整をつけようと努力したのですが、やはり直前になって、どうしてもそれは無理と分かりました。

やむを得ず、後半分は4カ月後の回で取ることにしました。彼も予想していた収入が入らなくなるのが残念だろうし、自分もフライトを変更したりするのにコストがかかります。

しかし、それを告げた時に、彼は言いました。

「Everything happens for a reason, Hajime. 」

結局、2つの別な合宿に1週間ずつ参加するという変則スタイルを取ったことで、僕は2つの異なるグループと親しくなることができました。

4−50代男性が多かった最初のグループに比べ、二度目はアラフォー女性が多くいて、まったく悩みや痛みの質が違っていたことが、自分にとっては目からうろこの学習体験となりました。

2週間続けてやらずに、分けてやって良かったとすら思える、ありがたい体験でした。

ふーん、世の中はうまくできてるなあと、何だかストンと腑に落ちていくものがあったのです。

その後も、何か面倒なことや、トラブルに直面した時にも、「これは未来のためのレッスンだ」と考えることで、ゲーム感覚で取り組むことができるようになりました。

乗り換えられない試練など、宇宙は決して与えない。

だから、今、持てる力を最大限にフル活用して、未来のために真剣に取り組んでみよう。

長期的に見たら、どんな解決策が自分にとってベストかを考えて、小手先で逃げないように立ち向かっていこう。

そう考えるようになったら、不思議とどんなトラブルも楽しいチャレンジになったのです。

誰にでも、予期せぬタイミングで、予期せぬ辛い出来事が起こることはあり得ます。

そんな時、何て自分は不運なんだと嘆いてみても何も好転はしていきません。関わった人間を責めたところで、解決するはずもありません。

今、この体験から学びなさいと「試練をいただいたのだ」と捉え、前を向いて対処すること。それによって、すべてのピンチも、後で振り返った時に「好機だった」と思えるようになるのではないでしょうか。

生きて体験することの、すべては学び。より大きな人間になっていくためのレッスンなのですね。