今年、会社を卒業して、いよいよ自分ブランドで好きなライフスタイルを構築するために頑張るぞーとなるはずのクライアント。
でも、どうもずっと及び腰。
なんか夏頃から人材会社から誘われているフルタイムの仕事をしながら、空き時間で「ひとり起業」をやろうと思うのだが…
なんて相談が始まったので、こちらは目が点(笑)。
今回は、そんな話をしてみたいと思います。
それは本当にしたいことなのか?
お金に不安がある人ならば、わからないでもないのですが、彼女は旦那さんもいるし、住む家もあるし、失業保険が始まるのはこれからだし、何も不自由ありません。
「パートという選択はないの?」と聞いても、求められているのはフルタイムばかりだそう。
一応、資格を持っていたりするので、それに対する需要もあるのでしょうね。
「○○士としての仕事も好きなんですよね…」という彼女ですが、うん? なんだかモヤモヤします。
また、会社生活に戻るの?
通勤電車に乗るの?
同僚やら上司やらに揉まれて与えられた仕事をこなす生活するの?
それ、あなたが本当に望んでいたライフスタイルでしたっけ?
本当に望んでいたものは、なに?
そう聞くと、彼女は「いいえ、違います」と即答。
だよね~。会社行かなくなって、早数ヶ月。
今、すっごく楽しいし、居心地いいし、この状態こそが、自分が望んでいたことだと言うのです。
だったら、なぜ? ですよね。
失業保険がもらえる数ヶ月の間に、せっかく勉強してきて、いよいよ準備も整ってきたことを使って、全力で「ひとり起業」の起ち上げに集中すべき時期じゃない?
片手間でうまくいかないから、会社辞めたんじゃなかったっけ?
前に進むことに、そこにどんなブロックがあるの?
だんだんと核心に迫っていくと、結局は、これからやることに対しての「自信のなさ」がいろんな形で表出してきます。
やっぱり(笑)。
それ、皆、そうなんです。
私もそう。確かに通ってきた道だから、よくわかります。
情熱があるかどうかがわからない…の罠ふたたび
「このことに、教わった先生ほどの【情熱】が持てないんです」
好き、ではあるけれど、でも、全身全霊を傾けられるかというと、そこまで一色に染まれないかもしれない。
染まれないと実力も伴わないかもしれない。お客さんからも見透かされるかもしれない。
失敗するかもしれない。食べていけないかもしれない。ダンナにも恥ずかしいことになるかもしれない。
とかとかとか。きっと頭の中では、いろんな失敗前提の妄想が渦巻いているのでしょう。
でも、私はそこで言います。
「今の状態、好きなんですよね。だから、それを維持するために、ひとり起業を【道具】【ツール】と考えれば良いのではないですか?」と。
考える順番が真逆なのです
例えば私はライフコーチ、ということを仕事にしていますが、別にそれがやりたいから、独立したわけじゃありません。
時間と場所と収入と人間関係の自由を手に入れるには、どんな手段があるかな~と考えてきて、で、その中で、自分がきらいじゃなくて、苦手じゃなくて、それなりに得意を活かせることがあるとしたら、それって何だろう?
そう考えて、たどり着いたのが、この仕事なんですよね。
順番が真逆です。
彼女だって、それは同じこと。
それは不謹慎なことではない
韓流ドラマ、一日中、見ていたい~。アジアにも旅行したい~。のんびりお昼寝したい~。
そんな気ままな自由を謳歌するために、ひとり起業、という手段を選んだだけのこと。
だったら、深く考えなくてもいいんじゃない?
情熱、だなんて、大げさな言葉使うと、さも大層なことに思えてしまうけれど、
少なくとも、真摯な態度で、誠実に、親身になって、正直にビジネスを営めれば、困っている人の役に立つことはできるでしょう。
仕事を、道具とかツールとか考えることは、別に「不謹慎」じゃないはずです。
なんかそういう変な神聖さを職業に持ち込んで、自分を追い詰める材料にしなくてもいいんじゃない?
自分の自信のなさを、そこに結びつけて、ずいぶんと込み入った言い訳にしなくてもいいんじゃない?(苦笑)
そんな話をすると、なんとなくクライアントの「そっか~」にも、前向きな明るさが戻ってくる感触がありました。
「好きなこと」探しじゃ答えは見つからない
好きなことが見つからない、とか、好きなことがわからない、とか。
よく聞くのですが、別にどうでもいいことですよね。
嫌いなことをしないために、今できることを探す。
それが、まあ、マシなことであって、自分の得意が活かせることであれば、それでいいんじゃない?
やっていくうちに、得意が花咲いて、人から褒められたり、感謝されたり、お金がくっついてきたりする。
すると「あ~、この仕事、大好き!」「これって、私の天職だわ!」ってなったりするもんなんですよね。
人間なんて、勝手なものです(笑)。
深い洗脳に気をつけて!
情熱は、「好きなライフスタイルを手に入れる!」という願いに傾ければ、それでいい。
皆が今やっていることって、「たまたま」巡り合ったこと、って場合が多いはず。
なんとなく稼げるから、なんとなく食べれているから、それほど嫌じゃないから、続けているだけ。
一見、楽に見えそうな道にフラフラと心揺らぐ瞬間が何度も巡ってきますが、ねえねえ、本当に手に入れたかったものって、それなんだっけ?って
常に自分に説い続けていかないと、つい間違ってしまいますからね。
「洗脳」はとても根深いものなので、ぜひ、気をつけてくださいませ。