筋トレをする人はわかると思いますが、ウエイトトレーニングをすると乳酸が溜まって筋肉痛になります。その後、回復していくのですが、その際に、元通りになるのではなく、元の筋肉よりも強く、大きくなって生まれ変わっていくのです。
それが「超回復」のメカニズム。詳しくはこちらを参照。
人間の身体って凄いですよね~。だから、鍛えたものがちなのです。鍛えれば鍛えるほどに、超回復が繰り返されて、身体はどんどん強くなっていく。
もちろん筋肉は単に大きければ機能するものでもないので、野生の動物としての機能を向上させるには、筋トレだけでなく、走る、泳ぐ、飛ぶ、避ける、攻める、防御するなどの要素が混ざったスポーツと合わせて万遍なくすると良いのだと思います。弱肉強食の世界でサバイバルするための必須機能を鍛えることで本能も研ぎ澄まされていくし、免疫機能も高まるのだと信じています。
さて、この超回復。心にも言えると思いませんか?
ひじょうに嫌な経験をした時に、その結果として僕達が辿る道はふた通りあります。ひとつはクヨクヨし続け、同様のことが起きたらどうしようと不安を抱えながら生きる道。もうひとつは、受け止め方を変えて学びを得て成長をし、同様のことが起きても全く平気な自分になっていく道。
前者はちょっとした傷を大きく化膿させて、いつまでも痛みの記憶として残していて、ちょっと打たれると飛び上がってしまうくらいに弱くなった状態。後者は、超回復して心の皮が分厚くなり、ちょっとのことでは傷などつかないように成長している状態。
もちろんできごとの痛さにもよると思うし、不意をつかれた時は、どんな人でも交通事故のむちうち症のように思いがけない負傷を負ったりもするもの。そう簡単に見えない心をコントロールできたら苦労はしません。
僕も2006年頃、不意打ちをされて頭の片隅がどんどん淀んできて、早期処置を取ろうと知り合いの心理カウンセラーに相談したことがあった。真面目に、このままだとやられる、と危機を感じたのだ。
その際に、言われたのが、「上野さんは別にうつとかじゃなくて、軽い交通事故にあったようなもの」という言葉だった。日頃があまりにものほほんと生きてきたので、ちょっとのことでビックリしちゃった様子(苦笑)。
でもその時にものの見方、考え方などを教えてもらったことで、スーッと心は軽くなった。彼女に「自己啓発的なことって、あまり興味ありませんか?」と聞かれて、そう言えばずっとビジネスを何とか形にしなくてはということばかりで、読む本もマーケティングやネットビジネス、リーダーシップのことばかり。心に関することは後回しにしてきた。
その時の体験のおかげで、自己啓発書を多読するようになり、セミナーも多数参加し、スピリチュアルな領域についても学習をし、ついにはNLPの資格まで取るに至ったのだから、超回復し過ぎか。
ちなみにNLPでは、リフレーミングという意味の置き換え作業でこの超回復のお手伝いをする。過去に遡って、できごとに違う意味合いを持たせることもできる。そしてそれを潜在意識レベルでできるから、心の中で凝り固まっていたものが、スルッと溶けていきやすい。
心がちゃんと「超回復する」ものだと信じることができれば、どんなに打たれてもへこたれずに済む。辛いな、と思ってもすぐに、ああ、これでまた自分は強くなれるんだな、と思えるようになる。ぬるま湯になんかいたらどんどん弱くなる。「あしたのジョー」のように打たれて、打たれて、強くなろう。