英語はやっぱりボキャブラリー
コーチングのクライアントさんも含めて、英語力をどう上げたら良いのかの相談を受けることは多いです。
まったくできません、という方からの相談はなくて、ある程度はかじっていたり、それなりに勉強をしてきた人が、さらにそこから上げるにはどうしたら、という中級以上の方からの相談が多いかもしれませんね。
あるいは、もう海外に移住している方で、日常でも仕事でもなんとなく使ってはいたりするのだけれど、どうしても自信が持てない人とか。
で、別に私は英語を教える人ではないし、これからもその領域にはたぶん行かないと思うので、ツールを紹介したり、人やプログラムを紹介したりするのにとどまります。
以前にも、こちらの記事で書いていますが、英語力を上げたければ、日本語の国語力とまったく同じで、やっぱり語彙力は不可欠だと思うんですね。
参考 2017年こそものにしたい! アメリカ在住23年でわかった英語学習法
語彙力を上げるのには、やっぱり単語帳的なものをコツコツとやっていく方法が一番かな、と思ったりします。
今は、優秀なアプリもいっぱい出ていて、それぞれに安価で工夫がされていますよね。
英語学習で有名なアルクさんからも、いくつも出ています。
で、ちょっとクライアントさんとのお話のために、TOEIC990点用のやつを私も買ってやってみたのですが、あれ、実はそれほど難しくない…。
とか言うと、すごく嫌らしい人に聞こえてしまいそうですが、でも留学経験、在住して地元民とビジネスした人たちだったら、これ、わかるだろう、という単語がほとんどで驚きます。
裏返せば、そんなに高度なものじゃないので、ちょっと学習すれば、このレベルには到達できますよ、ってことでもあるのかな、とも思います。
英単語のニュアンスはどう覚えるのか?
先日、何がなんでも英語を話せるようになりたい!と燃えているクライアントから、単語のニュアンスの違いはどうやったらわかるのか、という質問があり、一緒に考えてみました。
例えば、「jeopardize」という言葉と、「endanger」という言葉。
ふたつとも英和辞典で調べると、危機に陥れる、とか、危険にさらす、とか、出てくるんですよね。
違いがありません。
でも、ニュアンスの違いは確かにあるんですよね。
類義語として置き換えられる場合もあれば、いや、ここではダメ、という場合もある。
でも、英和辞典では、そこは見えない。
そこで、私は、はた、と思い出しました。
ハワイで大学院に通い始めたばかりの頃、ビジネスコミュニケーションのクラスが留学生にだけマストで課されてまして、そこで、あらゆることを教えていただいたんですね。
ハワイ大学の英語プログラムでも教わらなかった、大事なことを。
そうだ、そうだ、あのおかげで、自分の英語力は飛躍的に伸びたんだ。
すごい大事なことを忘れてた~と思い出した、ふたつのツールについて、以下にご紹介しておきます。
英英辞典を使おう!
皆さん、日本語でわからない単語があったら、辞書を使いますよね。
日本人でも、わからない日本語の単語って、いっぱいあるし、用語の使い方、言葉の組み合わせ方、漢字の送り仮名とか、当たり前にあるわけです。
だから、辞書の存在意義がある。
今では、それはウエブの検索におきかわったり、アプリだったり、ブラウザの便利クリック技だったりするわけです。
英語も一緒です。
英語で育った人も、すべての英単語がわかるわけではないのは当然なのですが、どうしても私たちは外国語になると、そのあたり前のことを忘れてしまいがちです。
英語ネイティブの人がわからない言葉やフレーズがあったら、どうするかというと、やはり辞書が必要なわけです。
日本語の国語辞典にあたるのが、「英英辞典」。
ビジネスコミュニケーションのクラスに入った時に、まず必須でこれを買ってきて~、毎回、ちゃんと持ってくるのよ~って言われたのが、ペーパーバックの英英辞典でした。
こんなやつです。
5−6ドルで本屋さんで売っていました。日本のアマゾンでも、今、洋書のペーパーバックって、異常に安く売ってるんですよね。
英語で英語の意味を調べる
英語で、英語の意味を調べる。
考えてみれば、当たり前の行為なわけですが、でも、どうしても私たちは、中学の頃から英和辞典に慣れ親しんでしまっているし、常に頭のなかでも、英語を日本語に置き換えて、理解をしようとしています。
でも、そこが、英語学習の落とし穴。
英語を日本語に置き換えている限りは、本当の意味で英語ができるようにはならないんですよね。
英語を聞き、英語で考え、英語で話す。
そこに、日本語は介在しない。
そのきっかけをつくってくれるのが、実は「英英辞典」だったりするのです。
今は、iPhoneやiPadにも、そしてブラウザにも、標準でいろんな辞書が入っています。
私のiPad。基本は日本語に設定してますが、英英辞書もちゃんと備わっていて、瞬間的にどちらでも選んで意味を知ることができるんですよね。
iPhoneやiPadでも簡単にできます
今朝、トランプ大統領関係の、人種問題絡みのニュース記事を読んでいたのですが、ふと知らない単語がありました。
こういう副詞系で、知らない言葉って、よく出てきます。
でもこの辺がちゃんと使いこなせると、とても賢そうな英語になったりするんですよね。
わからない、と思ったら、その瞬間、まずはダブルタップでハイライト。
すると、メニューが出てくるので「調べる」を選びます。
今回は、「vehemently」という言葉で調べてみました。
英和辞典を選ぶと、こんな風に、ごくごく簡単な訳が出てきます。↓
「激しく 猛烈に」
とりあえず、文章の理解にはこれで用が済むので、これで終わっても良いのですが、これだけだと、まったくニュアンスは伝わらないし、似たような言葉たちとどう違うのかの手がかりがまったくありません。
ちなみに英英辞典ではどうなのか、を見てみましょう。
おやおや、日本語ではたったふたつの言葉しか出てこなかったのに、英英辞典では、こんなに長い「定義」が出て来るではありませんか。↓
これによると、「力強く、情熱的で、激しい様、大いなる感情を伴って」みたいに書いてありますよね。
日本語の、単なる「激しい」だけだと、確かにニュアンスがわからないのですが、英英辞典では、それが何となく伝わってくるのが、見て取れるかと思います。
そこに、なんらかの「熱」がこもるのかあ。
それも「感情を伴うもの」「感情的になる」って感覚なのかあ、と読み取れます。
しかも、例文まで載っているから、どんな時に使うものなのかも理解ができます。
私が読んでいた文章では、「vehemently」の後に、「reject」(拒否する)という単語が続いていました。
辞書の中にある、ふたつの例文には、それぞれ「denied」(否定した)「protested」(抗議した)という単語がつながっている。
となると、ああ、こういう場合に使うんだな、感情が伴うって、そうか、怒りとか憤慨とか、何か主張するようなもののことなんだな、と見えてきます。
最初は難しく感じるかもしれないし、定義の中に、さらに分からない単語とかがいっぱい出てきて、マトリョーシカ人形を開けるみたいに、どんどん深みにはまっていくこともあるかとは思います。
私にも経験があります(笑)。きっと誰にでもあります。
でも、そうやってはまっていくからこそ、語彙力がどんどん加速度的についていくわけです。
ひとつの単語の周辺から、たくさんの言葉について見ていくことができるわけなので、それをゲームのように楽しめたら英語ももっと身につくかもしれません。
類義語辞典が英作文では大活躍!
ビジネスコミュニケーションのクラスでは、もうひとつ、マストで揃えなさい、と言われたツールがありました。
それが、Thesaurus (シザーラス)と言われる類義語辞典です。
これも、ペーパーバックで、5−6ドルでありました。
日本のアマゾンでも、こんな価格で手に入りますよ~。
でも、今は、ソフトやアプリに入っているし、検索でバリバリでるので、とくに要らないですけどね。
英語の作文では、同じ単語をいかに繰り返さずに文章を書くかで、とても苦労させられます。
繰り返しは、悪文、ってことなんですよね。
まあ、日本語でもそうだったりするのですけれど、英語はとりわけ厳しかった印象があります。
そんなとき、活躍するのが、類義語辞典です。
とくにボキャブラリーの少ない外国人には、これが必携ツール。
WORDの中にも辞書機能があったりするので、書きながらダブルクリックして、辞書ツール引っ張り出して、「同じ意味だけど、違う単語」をさくっと選んで、入れ替えたりできるのが便利です。
例えば、言うっていう意味の「Say」を例に取ってみると、一度、どこかの文章で、I said って使ったら、しばらくはもう繰り返せないんですよね。
とくに、レポートや論文やら、フォーマルな文章であればあるほど。
知的に見えなくなる、幼稚に見える、信用が下がる、ということにつながります。
こちら(↓)は、マックの中に標準で入っている「辞書」というアプリを使った結果です。
Say を検索して、英語シソーラスをクリックすると、こんな風に結果が出てきます。
Speak、Claim、Express、Recite、Indicate、Estimate、Supposeなど、どんな意味合いで、Sayを使っているのかがまず出てきて、その後に、同列で使えるであろう、候補の単語が、ずら~っと続いています。
Sayみたいな一般的な言葉だと、候補数も膨大ですね。
Speakっていう意味でSayと言ってるのならば、その他に、utter, voice, pronounce, give voice to, respondやらの、入れ替え可能な類義語がありますよって、言うことです。
この中から、なんとなく気に入った単語を使えば、たいていは大丈夫だったりするわけです。
編集の仕事もしてきた私としては、学校のレポート書くときにも、この言葉の入れ替え作業がなんかパズルみたいで楽しくて(笑)、そうやって楽しんでやっていたせいか、ライティングではいつもネイティブよりも良い点数をいただくことが多かったです。
でも、何よりも大事なのは、ここで、例えば、Utterとか、一般にそれほど知らないかもしれない言葉を出会えるということ。
それも、Sayと同じなんだよ、とわかること。
類義語事典を使っているだけで、同じ場面で使える、違う単語がいくつもいくつも芋づる式に学べてしまうんです。
飛躍的に、加速度的にボキャブラリーが広がるイメージ、わかりますか?
日本語で英語を学ぶ新しいアプローチ
自分の英語を、何としてでもビジネスレベルにアップグレードしたい!と考えている方は、やっぱり「塾」で人と一緒にプレッシャーかけながら、集中訓練するのが、一番だろうと思います。
ひとりで無目的にやっていても、なかなか成長もないし、成長を知るためのツールすらありませんからね。
クライアントで、セミナーパートナーでもある戸田輝さん主宰の「原宿ビジネス英語塾」が、10月からの新規生を募集しています。
8月末から9月にかけて、3回ほど体験説明会が行われるそうです。
ここの特徴は、私も大賛成なのですが、日本人による日本人のための英語塾、というところ。
ネイティブは出てきません。
2ヶ月という短期間で、ビジネス英語でプレゼンテーションができるようになる、というお墨付きの講座。
勉強の成果は、勉強の質 ✕ 勉強の量。
がぬしゃらに、時折ネイティブと話せばいいわけではありません。
説明会は、8月28日、9月20日、27日の3回。
すでに1期生、2期生と終了して、秋からの3期生を募集中です。
戸田さん他、講師陣も素晴らしい方々ばかりです。
新しいウエブサイトも素敵です。
これからもっと素敵になる予定らしいですが、今でもすでに十分、素敵なので、ぜひ御覧ください。
英語の習得には、時間がかかる、と思いがちですが、時間と思っているのは、実は「質と量のかけ算」。
質量、熱量的なものかもな、と私も感じています。
それは、すべてに結びつくことですけどね。