40代、50代というのは、暮らす環境や、周囲にいる人の影響などで、未来に関する意識が大きく異るようだと最近、感じます。
職業柄、いろんな方とお会いする中で、その方の「未来感」を知るような会話をするのが常なのですが、反応によって、以下の4パターンくらいに分かれるようです。
- なんとかしないとと焦っている
- 人生これから!と燃えている
- もうそろそろ終わりかなと黄昏れている
- 特別なにも考えてないゆでガエル
私のクライアントさんは、もっぱら1か2のパターンに当てはまりますね。
3や4の方は、さすがに周囲にはまったく存在しない感じです。
4は曲者で、「なんとかしないとね~」と口では言いながら、実際には何も動く気配のない、言ってるだけ派も含んでいます。
定年になったときに考えるのかな。
確かに、5年先、10年先、20年先のことって、なかなか真剣味を持って考えにくいものですけどね。
なんとかなるさ~!と豪快に構えていればいいのでしょうか。
私は、なんだかそれを「運命任せ」「人任せ」にするのが嫌で、ついついもがいてしまう派です。
人生100年時代をどう生きるか
人生はとにかく長く伸びました。
人生100年時代、と言う言葉を最近は、よく聞くようになりましたが、本当にそれが現実に近い状態になってきましたね。
それだけ長くなった人生を、ではどう生きればいいのでしょうか?
価値観がグラグラと代わり、健康状態も環境も変わり。
未来を見れば、あまりにも未知のSFみたいな世界で、不安ばかり…
クライアントから寄せられる悩みや相談に参考になるものは、片っ端から読むようにしているのですが、最近、発見した、私の日本のメンターさんの著書が秀逸でした。
錚々たる文学者の編集者として、そして女性自身や微笑などの女性誌の編集長として、そして女性学を唱える人気作家としてご活躍されてきた櫻井秀勲さんの書かれた「女性が50代を後悔しない51のリスト」をご紹介します。
人生は50代を過ぎてからだ!
「50代の自分を考えはじめた女性たちに、少し先を生きた私がお伝えしたいのは、『人生はこれからだ』ということです」
(「プロローグ――自分の本当の人生をスタートする」より)
現在、80代なかば。でも、ピンピンとお元気で、若々しく、現役の出版社社長として毎日働きながら、原稿執筆もバリバリしているという櫻井先生のお言葉なので、説得力があります。
これまで子育てや仕事で忙しかったあなたも、少し余裕が出てくるのが50代。
そろそろ、自分の本当の人生をスタートしませんか。
女性の50代は、実は最大のターニングポイント。
この時期をどう過ごすかで、今後の人生が決まるのです!
今知っておかなければ、きっと一生後悔する……
人生後半の入り口に立つ女性に向けて「女学の神様」があかす、50代にしておくべきこと、51。
「そろそろ、自分の本当の人生をスタートしませんか?」と、50代の女性に呼びかけているところは、私も同じなのですが、すでにそこを大幅に通り越して来られた方だけに、やはり説得力があります。
今、知っておかねば、きっと一生後悔する…
一冊の中には、現代という時代をしっかりと捉えながら、時代の変遷、そして、女性固有の身体や心の変化、家庭内での役割の変化などを抑えながらの、具体的なアドバイスがぎっしりと51個も並んでいます。
さすが「微笑」などで、きわどいテーマについても特集し、部数記録を樹立し続けた伝説の方だけあって、踏み込んだ性の内容もあったりして。
視点が何よりも時代を的確にとらえていて若々しいなあ、と感慨にひたります。
自分も30年後、先生のような視点が持てるくらいに、心身の若さが保てているのだろうか。
30年前のことを思うと、記憶もうっすらなくらい。
30年後のことなんで、まだまだ先のこと過ぎて、想像も難しいですね。
本の内容の一部、目次からです。
50代から輝けるのは、「絆」を作れる人
「プラス言葉」を使う人は、しわのつき方が違う
50代の自分に合った仕事を選ぶ
パートナーを老けさせないための心得
20代、30代の恋愛では経験できない歓び
サクセスフルエイジングで若さを保つ
(目次より抜粋)
生き方の指針。50代女性に役立つ6つの考え方
著書の中で、とても印象に残ったのは、こちらの生き方6か条。
「後悔を少なくする生き方」を構築するために、まとめられています。
後悔をゼロにすることは無理なのだそうですが(そりゃそうですね)、心がけや考え方で、少なくすることは可能である、と。
生き方の指針になる、六つの考え方
(1)決めるときは午前中。夜には決めない。夜間に決めようとすると、弱気になる
(2)自分の生活を大事にする。ほかの人の幸せを願う心は優しいけれども、人生最後の時期は、自分中心にする
(3)最後まで、働く人生を優先する。最後の余生をゆっくりしたい、という考え方は捨てる。ゆっくりするのは、仕事をしていても、いくらでもできる
(4)家族はバラバラになるものと覚悟する。子どもが将来世話をしてくれるという考えは捨てる
(5)家具や品物はふやさない。いまあるものを利用する
(6)一生続けられる趣味、あるいは仕事をマスターする。これだけは、できるだけ早くスタートする
この六つの指針は、後悔を少なくする生き方です。私としては、とても効果があると信じています。とはいえ、後悔をまったくなくすわけにはいきません。
女性のために書かれた本ではありますが、ほとんどすべて、男性にとっても大事なことですね。
余生をゆっくり、なんて時代ではなくなりました。
余生が、いったい何歳まで続くのかもわからない今、ゆっくりしていられるほどの金銭的余裕があるとは限らない。
働きながらでも、ゆっくりはできる、という言葉には、ハッとしました。
健康で、いつまでも、好きなことをして、自分のペースで稼ぎ続けていられたら、それが一番、幸せですね。
とはいえ、「雇われ人生」だと、どうしても年齢がネックになってくる。
自分のペースで、都合よく働くことなどもしにくいでしょう。
だから、自分で何かを始めよう、ということになる。
その基盤づくりができるのが、やっぱり50代が最適なのではないか、という主旨でした。
ハワイやロサンゼルスにいると、60代でも、70代でも、平気でバリバリ女性が働いているし、平気で新しいことを始めたりもするので、まあ年齢を制限として考える必要もないとは思います。
いろんな選択がありますよね。
その選択を楽しみながら、「今が楽しい」状態を、自分で演出していく、ということ。
幸せや、未来を人任せにしない。
被害者にならない。幸せ弱者にならない。
そのために、読んでおきたい一冊です。