「世界は一瞬で変わるんだよ」という話をすると、クライアントさんはキョトンとしたり、「本では読んだことがあるけれど、意味が全然わからない」と言ったりします。
確かに、経験してみないとピンとこないことは多いもので、変な精神世界のお話かと勘違いされてしまうのですが、私は極めて論理的なことだと解釈しています。
円柱、というのは、横から見ると長方形、真上から見たら円。両方が見える角度から見て、はじめて円柱だとわかるわけです。
ただ、別にどれが正解、ということではなくて、いずれも、その人それぞれの見る角度があって、そこから眺められる範囲内では正解です。
人の世界もきっとそう。
上から目線が気に入らないという人の多くは、「自分が下から見ている」ことが多くて、その「上」の人の立場からすれば、当たり前の論理かもしれない。
右から見れば、中庸だって、左に見えるとは、政治の世界でよく言うことです。
一方的な見方だけで「それが世界のすべて」と勘違いしていると、誤解はいつまでも解けませんし、今のステージ、今の立場から抜け出て、次元上昇していくなど、ありえません。
ものごとを違った角度から見ることができるようになるだけで、世界が一瞬で変わります。
その秘技を簡単に習得する良い日課を2つ、ご紹介しましょう。
(以下は、メルマガ「未来通信」で発信した内容をもとに構成しています。)
ほめ日記のすすめ
セルフイメージの高い、低いは、何をするにも、とても大事なのですが、自分をケアしていない人は、どうしてもそれが低くなりがちです。アメリカに来て思うのは、なんとまあセルフイメージが高い人が多い社会かということです。
できないことまで、できる!と宣言してしまうほど(苦笑)、自信ある態度で、無理目なことにもドンドン挑戦しちゃう。
最初はダメかもしれないけれど、そうやって挑戦し続けていると、いつしか成長して、無理と思った場所に届いていたり、することもある。
現地の学校に通う日本から来たお父さん、お母さんにアンケートを取ったことがあるのですが、アメリカの学校では、とにかく先生が「ほめる」と、おっしゃられます。
できないことを罰する(減点)よりも、できたことに報奨(加点)を与える。
何かがうまくいかなかったとしても、やろうと挑戦した事実を、ほめてくれる。
すごいね、よくトライしたねと賞賛してくれる。
一番、評価されないのは、失敗を恐れて何もしないこと。
バランス良くオールマイティになることよりも、何かひとつに図抜けて秀でることが大事と教えられる。
例外は多々あるにしても、総体としてそんな文化や価値観がベースにある社会。
日本の皆さんに聞くと、子どもの頃からほめられて育った記憶がない人が多数派です。
おだてると、つけあがる。
満足して、それ以上、努力しなくなる。
結果、成長しない。
だから、厳しく叱る。間違いを指摘する。
そう考えるのが、日本の社会かもしれません。
そもそも、それは本来、優しさから来たものだったかもしれない。
その姿勢は「改善」という文化につながり、類まれなる高品質につながるのですが、反面、失敗を恐れ、自信を損ない、セルフイメージを低くすることにもなります。
コーチングの場では、少しの変化でも見えたら、必ず、ほめるようにしています。
良い変化をキャッチし、認め、言葉にし、それをほめる。
そのことで、ワクワクし、喜びが芽生え、さらに取り組み、成長し、さらに褒められ、
自信ができてくる。
その繰り返しが、セルフイメージを本来あるべき場所に戻していきます。
でも、それは日々、「自分で自分に」やってあげると、一番、早いです。
コーチは24時間、一緒にいませんしね。
具体的には、毎日、数行でいいので、「ほめ日記」というのをつけてみる、ということです。
日記には、こんなことを書きます。
今日もちゃんと時間通りに会社に行った。
良い仕事をした。人に優しくした。
明るい気持ちでいられた。
友人との時間を楽しめた。
そして、それらを、「ほめる」のですね。
まるで他人に語りかけるかのように、えらいね。よくやったね、と声をかけていく。
それだけで、驚くほどの変化が自分の中に生まれます。
自分が変われば、周囲も変わります。
自分の良いところをいち早く見つけ、当たり前のことでも、なんでもいいから、ほめてあげる。ねぎらってあげる。
そのことで、心は穏やかになり、人にも優しくなり、人の良いところもたくさん見えるようになる。
そしたら、人をガンガンほめてあげる。
認めてあげる。ねぎらってあげる。
大人世代は、人から褒められることを待っていないで、自分で自分をガンガンほめましょう。
ほめられるのって、嬉しいですよね。
嬉しさの連鎖が、社会をしなやかで優しく、美しく、そして強くします。
ほめ日記をやるときに注意したいこと
ほめ日記を早速、やってみたクライアントさんが、「これでどうですか?」と送ってくれました。
が、あれ、ちょっと違う(笑)。
何が違うかと言うと
1)自分をほめきれていない
2)人のことをほめている
3)良かったことを書いている
2も3も、とても良いことなのですが、まずは、「自分が自分をほめる」「自分をちゃんと見る」ことができるようになることが必須。
そのためのアクティビティなので、他とごっちゃにしないで、自分だけに集中すると良いと思います。
とにかく、自分を褒めて褒めて褒めまくる。
感情レベルで、「恥ずかしい…」「そんなの言えない…」「赤面」「うわ、ペンが止まる」「汗」…
そんな風にブロックを感じるくらいのことをやるのが、秘訣です。
何も感じないなら、たぶん、褒め方が間違っているか、褒めたりてないです。
目的は、自分の良いところ探しをして、セルフイメージを上げていくこと。
潜在意識を、ゆっくりじっくりと書き換えていける簡単な自己再生プログラミングです。
とっても効果的なので、バカにせず、バカになって、ぜひやってみてください。
褒め言葉のボキャブラリーがなくて、難しい、という方もいました。
「ほめ言葉ハンドブック」という本は、そういう意味で、超おすすめ。
へ~という褒め方、労い方を教えてくれます。
感謝日記のすすめ
ほめ日記ができるようになったら、他人に感謝の言葉を述べる「感謝日記」も合わせると効果的です。
たった2-3行でいいのですが、私もこれで見事に生まれ変わりました。
それも、ほんの数日で。
社員との関係、パートナーとの関係、顧客との関係が、劇的に向上。
人間関係が見違えるほどに良くなる体験に感動したものです。
「◯◯さん、今日はコピーをきれいに取ってくれてありがとう」
「◯◯さん、何も言わないのに、財務書類を整えてメールしてくれてありがとう」
「◯◯◯(相方の名前)、帰りが遅くならないように電話で催促してくれてありがとう」
そんな簡単な感じです。
当たり前なんてない、という話も、先日、メルマガ「未来通信」でしましたが、感謝日記を毎日続けることで、日頃、麻痺して見えなくなっていることに気づき始めます。
そして、当たり前なんてなくて、すべてが「有り難い」ことだと思い出させてくれるのです。
そうやってみると、自分っていかに多くの人の愛情によって支えられ、生かされているかがわかります。
いつしか心がしーんと静かになり、世の中がまるで違って見えてくるんですよね。
愛情は、すべてを根幹から癒す、万能の癒やし薬なのです。
感謝日記については、この本で教わりました。
良書です。Kindle化されてなくて残念。