スマホやパソコンに標準でついている「音声入力」の機能が、すでに実用レベルになっていることをご存じの方は、意外と少ないかもしれません。
ボイスメモのように、声を音声として録音しておくものではなくて、声で入力して、文字化するものです。
実用レベルじゃないのは、実は、それを使いこなせてない「人間」の方。
かねてからいろいろな記事で書かれていたので、そもそも腱鞘炎気味になったことすらある私は、大いに興味はありました。
そしてついに! 今こそやるべき、と覚悟して、この世界にデビューしてみることにした次第です。
不自然で辛いデスクワーク&パソコン入力
春先から、アウトプット中心の生活が続いていたので、7月半ばから8月にかけては、なるべくインプットを重視しようと思い、多読生活に加速度をつけたり、無料・有料(高額含め)オンライン講座を受講したりして、引きこもり生活を満喫しました。
インプットだけしている分には、机に向かう必要がないので、ソファーに腰掛けたり、ベットに横になったりしながら、自由なスタイルで過ごすことができるんですね。
すると、当たり前のことですが、カラダがとても楽なことに気がつきました。
長い間の会社生活が染みついていて、どうしても仕事と言うと机に向かうと言う図式ができ上がってしまっていたりもします。
さらには、パソコンに向かうもの、という意識もとても強いです。
紙とペンさえあればできることも多いし、リサーチや情報のインプットであれば、場所や姿勢なんて、どうでもいい。
リラックスした姿勢の方が、長い時間、脳を弛緩させることもでき、情報の吸収率もグンと上がる気もします。
そして、そういう楽な生活をしばらく続けた結果、今度は、長時間、椅子に座って、パソコンに向かうってことが、できなくなってしまったんですね(笑)。
机に向かって、キーボードを打つ姿勢って、実はとても良くないですよね。
腰、背中、肩、肘、首、目、手首、指。
すべてのパーツにとんでもない負担がかかります。長時間座っていると、足もむくみます。
書く量が増えれば、腱鞘炎になる人もいるほど、指や手首や肘に過酷な負担が集中します。
私もできるだけタイプする時間を減らすように心がけないとならないほど、仕事人生の中で、文字を書く量が激しく多かったものですから、結構、この点では悩まされてきました。
早く、考えただけで、文字が打てるような時代になればいいな、といつも思ってましたが、それにかなーり近いところまで、現実が近づいてきています。
それが、音声入力と言う手法です。
音声入力については、このところ、いろいろなブログや情報サイトでも目にしてきたので、いつかは…と思ってきたのですが、「いつか」というのは、永遠に来ない、と自分自身でも言っているように(苦笑)、やっぱりいつまでも訪れないわけです。
なので、「今でしょ!」と一念発起して、重い腰をあげてトレーニング開始しました。
大量の文字入力が、楽で素早くできる音声入力
ライフハック系のブログではないので、音声入力に切り替える方法などは、ほかの記事をご参照ください。
今や、デバイスやOSを選ばずに、何でも対応してきています。
マックやアイフォンならば、特別なソフトやアプリもいりません。
例)Macの場合
アイフォンをお持ちの方は、試しに音声入力をONにして、メールソフトでも、メモでもアプリは何でも、ちょっと何かをしゃべってみてください。
ものの見事に正確に素早く変換されますよね?
そのスピードと正確さには、驚いてしまう方も多いはずです。
ちなみに、このブログの記事も、実はベースは音声入力で書いています。
今はまだ私も未熟なので、多少、時間もかかりますし、一旦入力した後での編集作業が、やはりかなり発生します。
ほぼ、全面的に加筆/修正が必要なレベルです…。
ただ、これ、「初めて」の作品なのです。
1週間くらいトライすれば、できるようになるかな? と思ったら、ひとつのブログ記事の後半の方では、なんだかだいぶ慣れてきてて、さくさくと思い通りの文章が出るようになってきたんですよね。
全体でかかった時間は、いつもの同ボリュームの記事の半分程度でしょう。
腕や背中や肩や手首の疲れがまったく違います。
「あ~、もう指タイプには戻れない!」
編集しながらの、まとまった文章の追加、修正も、音声で指示を出したりしている自分。
怠け癖って、アッという間についちゃうのですね(笑)。
調子こいて、若干、1時間の間に、ブログの記事を2本、それからメルマガの記事を1つ、音声入力でさくさくっとドラフトしちゃいました。
なんだかそれまではとても億劫な気がしていたのですが、やってみたら実はとても簡単。
新しいツール、新しい習慣、新しいスキルの習得って、実はこんな程度のものだったりするのかもしれないです。
音声入力のメリット、デメリット
私が実際に試してみた後で思う、現状のメリット、デメリットについて、まとめます。
音声入力のメリット
- 姿勢を選ばない(楽な姿勢で長い文章が入力できる)
- (ゆえに)指や手首やカラダ全体が疲れない
- 話すスピードでタイプされるので、入力がとても早い
ベッドに寝転びながら、長い文章が書けるのって、画期的なことですよね。
私の場合はiPhoneでやりましたが、付属のマイク付きヘッドセットを使えば、ささやいてるような声なのに、きちんと認識をしてくれることに感激です。
漢字の変換も、実に正確。まるで文脈を理解して入力をしているとしか思えないような、きちんとした変換です。
音声入力のデメリット
- 早すぎて頭が追いつかない(笑)
- ゆえに直しが大量に出る
- 細かな作業には向かない(かも)
- 句読点や改行、カッコの入力が面倒
- 周りに人がいると恥ずかしい
今までは、おそらく皆さん、机に座り、タイプしながら考える、という作業をしていたはずです。
そして、頭で考えたことを、指に伝達して、目に映る文字情報を認識し、脳にフィードバックを返す、というような流れ。
これが、音声入力では変わりますので、慣れが必要です。
まず、書き言葉を「口で言う」ということは、普段の生活ではないので、そこが新しい体験。
そして、あまりにも早くタイプされるので、頭が追いつきません(笑)。
えーっと、とか言ってると、そのままタイプされちゃうし、間が長いと、音声入力が自動的に切れて、再度、マイクボタンを押さないとならずに面倒です。
句読点も、「てん」とか「まる」とか、「かいぎょう」とか言わないとならないので、コツをつかむまでは、思考が分断されて、うまくいきませんでした。
音声入力を実用化するための3つのコツ
- あらかじめ骨格とディテールを決めておく
- 目を閉じて、まぶたのスクリーンに集中する
- 数をこなして慣れる
以下に、簡単に補足します。
1.あらかじめ骨格とディテールを決めておく
話すスピードでどんどん文字化されますので、今までのように、タイプしながら考えて、句読点で一休みして、先をまた考える、みたいなわけにはいきません。
なので、あらかじめ、何を書くかを考えて、骨格を決め、構成を決め、ディテールを決めておくとスムーズです。
これは、でも別に悪いことではなくて、それによって、作業全体が驚くほどスピードアップするので、指でタイプするときもやるべきことだったりもするのです。
良い習慣づくりにもなり、一石二鳥ですね。
2.目を閉じて、まぶたのスクリーンに集中する
タイプする時のように、スクリーンを見てしまうと、誤入力が多いですし、句読点も気になりますし、成形したくなるし、集中が乱れます。
なので、慣れるまでは、とくに目を閉じて、瞼の裏の真っ黒なスクリーンに文字がぱちぱちとタイプライターのように打ち込まれるイメージを浮かべてやると良さそうです。
書き言葉を話す、というのは、新しい習慣です。
ですから、まずは、口で「タイプしている」ということを脳に覚えさせると良いと思います。
そのためにも、目を閉じて、集中することが、役に立ちます。
3.数をこなして慣れる
コツとしては身も蓋もないようですが(笑)、「書き言葉で話す」という新しいプログラムを脳に覚えこませるためには、まずは数をこなすことですね。
音声入力の千本ノックです。
最初は、「効率が落ちた」と思う人も多いでしょう。
それで、止めてしまう、という人が、たぶん大多数です。
でも、だからこそ、やるべきなのです。
新しいことを身につけるには、何事も最初に多少の痛みが伴うものです。
自転車に最初からスムーズに乗れた人がいないのと同じで、転んで、怖い思いをして、嫌な気分になりながらも、その先にある楽しい未来を想像して、コツコツと、淡々と、続けていった人だけが、恩恵に授かれるんですよね。
人類進化の途中の軽い転換として取り組んでみる
人間がタイプをするようになったのなんて、ほんの最近のことです。(西洋社会には、タイプライターというものが、かつて存在して、多少の長い時間が経っているとはいえ)
入力のデバイスが進化し、タッチパネルやリモコンが出てきたり、SIRIみたいな人工知能との声での対話が日常的になってきたり、アメリカでは、Amazonの「Echo」が市場に回り始めて、音声入力が急速に別次元に進化しています。
今、指を使って入力しないとならないことも、どんどん声だけで済む時代に進化していくはずです。
そして、その先には、「考えただけで、それがデジタル文字になる」という時代がきたらいいなあ、とも思います(笑)。
余計なことまで、全部書かれてしまうと困りますが、何らかのコマンドを念じた後で、頭でタイプしていくと、それがカタカタと文字に置き換わる、みたいな…。
ちょっと怖いかな。
でも、今のように、指や手首や目などを酷使していたら、身体機能が摩耗して、加齢と共にできないことが増えてしまいます。
寿命が伸びているのだから、カラダだって、それ相応の持久戦を覚悟して、意識して守っていかなければなりません。
私は今から、できる限り、音声入力に切り替えて、「カラダに楽させてあげたいな」と思います。
ちなみに、ドラフトとして私が使っているのは、Evernoteです。
正確に言うと、Evernoteの文字入力だけに機能を絞った、起ちあげの軽い「FastEver」というアプリ。
さくっと起動して、すぐにクラウドに上げてくれますので、以前のようなボイスメモはもう止めて、このようなメモソフトに「文字化した状態で」記録しておくと良いのではないかと思います。
いちいち全部聞き返さなくても、すでに文字化されているので、そのまま使えますよね。