ドキュメンタリーの名作「フード・インク」(2008)は日本でもDVDで見ることができるというのを、これを書くために調べていて初めて知った。
アメリカでもNetflixなどの配信サービスで観ることができたから、実に大勢の方の目に触れることになった作品だ。衝撃の内容は見た人の行動を変えたし、ソーシャルの波がじわじわと小売産業を変え、生産者を変えていっているのを感じる。
映画から6年。それでもなお、食品産業の力は強大だ。「売れるものを作る」「作ったものを売る」ということにかけてターミネーターのような執念を持つ巨大産業。まるで生き物のように、それ自体が肥大化し、自らのサバイバルのために独自の理論をふりかざして変貌を拒み続けている。
オバマ政権になってからは、夫人のミッシェルさんがリーダーとなって、アメリカの肥満問題の解決に力を入れている。状況は今、変わってきているのだろうか?と、先日ハワイの「town」という大好きなコンシャス系レストランで彼女を見かけたよ、と友人が言った時に考えていたのだけれど、そんな折り、Food, Inc.がこんなビデオをFacebookで薦めてくれた。
それが冒頭に予告編を貼り付けた「Fed Up」だ。
メインに置かれているのは、「砂糖」のようだ。アメリカの加工食品のすべてには、中身を克明に記す義務があって、自然とかけ離れたものほど、長い長い原材料名のリストが連なる。そしてSugarではなく、HFCS、High Fructose Corn Syrupという名の甘味料が加えられていることが多い。安い製品ほど多い。
日本では、これを天然甘味料とか、果糖ぶどう糖液糖などと表示して、なんとなく良さそう?とイメージされている人もいるかもしれないが、アメリカでは利用に制限がかかるほど危険な存在なのだ。加工業者にとっては扱いやすく安いものだが、血糖値を急速に上げ、肥満や糖尿病につながりやすい。
知ることはとても大事だし、その上で、自分でしっかり判断し続けることができるのも大切だ。人生において何を優先に持ってくるのか、軸を持っていないと、簡単に騙されるし、流される。
「Fed Up」という作品、早く見てみたい。「Food, Inc.」も ぜひたくさんの方にご覧いただきたい。アメリカでは、こちらで情報を引き続き配信している。引き続きNetflixでも観ることができる。良質なドキュメンタリー作品が豊富なNetflixは、それだけで購読に値すると思う。