会社にいる頃は、離れた席のスタッフからもメールがビンビン飛んでくるし、見えない部屋にいる経理や会長とのコミュニケーションもメールだったりして、年がら年中メールを見ている日々だった。
ひとりになって良かったのは、とりあえず今のところ、仕事のメールというものはほとんどなくて、書くことに集中できる状態が整ったこと。
しかし集中が少し薄くなってくると、気になるのがFacebookやTwitter。そして、ネットで調べ物をしていたはずが、ついつい連想ゲームのように次から次へと関心を引き寄せられるリンクを辿っていって、しまいにはもともと何をしようとテキストエディタの画面を離れたのか完全に忘れてしまっていたりする。
そうするとまた一から集中のやり直し。ゾーンに入るまでにしばらくかかるので、ロスタイムが発生する。
もちろん息抜きにあえて好奇心を泳がせてみるのはいいのだけれど、仕事中にそれでは、何時間あってもブログのひとつも片付かないことになる。
フリーになったらこれ入れよう、と決めていたソフトが2つ。同じ会社から出ている「Freedom(フリーダム)」と「Anti-Social(アンチ・ソーシャル)」。どちらもウェブからダウンロードして使うアプリケーションだ。
「Freedom」は指定時間中、インターネットへのアクセスを止めてしまい、再起動しない限り、途中で復活するのは不可能という、意志薄弱な人にはピッタリの機能。$10。
「Anti-Social」は、似たようなものなのだが、ネットは生かしておいてリサーチなどは続けられるようにし、FacebookやTwitterはマストで、その他にも指定したサービスを指定時間、使用停止にできる。こちらは$15。
両方共インストールしたい場合は、バンドル版が$20で買えるようになっている。
ネット系の記事を書いていると、リンクを貼ったり、正確な情報を得たりするのに、マメにサイトにアクセスしないといけないことも多いが、情報誌の仕事の時とか、企画書を書いたりする時は、思い切ってネットを落としてしまった方が結果的に早いこともある。
TEDなど、本当はちゃんと入り込んで真剣に見た方が実になる映像も、ネットがつながっている時は「ながら視聴」になりがちで、結局、後で記憶に薄かったりするから、こういう時はAnti-Socialを使うと便利だ。
便利な時代に集中を手に入れようとすると、その便利さを一度、絶たないといけないことがある、という逆説的なお話。