誰でも、自分のことを一番知らないのは自分だったりする。鏡に映っている姿は確かに見ているのに、心の目に映る自分は、決して他者が見るものとは一緒ではないものだ。
日本、という国も、外から見ないと、なかなかその特異性や魅力は見えてこないもの。それが当たり前で育った私たちには、何が他と比べて優れているとか、何が珍しいことなのかがわからない。
僕も近親憎悪ではないけれど、日本という国があまり得意ではなくて、型にはめられることが窮屈で仕方ないと思っていた。しかしハワイに移住した瞬間、日本が恋しくて仕方なく、あれがない、これがない、と日本の良さを数えてはないものねだりばかりするようになっていた。
さて、Business Insider というウェブサイトが、「10 Things Japan Gets Incredible Right」という日本を賞賛する記事を掲載している。日本が持っていて、世界の他の国(とくにアメリカ)が持っていない、超すぐれものとは:
- 自販機
- 食べ物
- 家で靴を脱ぐ習慣
- タクシー
- コンビニ
- リサイクルとゴミ捨ての運用
- 時間の正確さ
- 顧客サービス
- トイレ
- どこでもお酒を飲めること
2の「食べ物」とは、どんぶりや餃子、お好み焼き、ラーメン、たこ焼きなど日本固有のアイテムについて愛情深く語られている。
5の「コンビニ」は、清潔さや適正価格に加え、宅配の窓口として受け取りまでできることとか、公共料金の支払い機能、チケット予約や購入、プリンターなどまであって、まさに「コンビニエント」である、と。
9の「トイレ」は分かりますよね。海外旅行して、日本風のトイレを見かけることは皆無と思う。近づくとフタが自動で開いたり、音消しの流し音が出せたり、ウォシュレットそのものがまず素晴らしい発明品。
10は、自分も日本に帰ると千葉までの長い距離を電車で過ごしたりするけれど、夜はワンカップとつまみを持って一日の終わりをひとり祝っている方々もまだいるからね(笑)。アメリカでそれやられると怖いのに、日本だと少し微笑ましい節度がまだあって。
東日本大震災の時に世界を驚かせ、日本人に対して無条件でリスペクトを払わせたのは、その「静かな対応」や「不平不満を言わずに混乱を避けて待つ姿勢」や「譲り合い」や「我慢」ということだった。いや、表に出ないところでは日本人もすごいよ~と思うものの(苦笑)、確かにカメラの前ではそうだったし、追い込まれた苦しい瞬間に「あうん」の呼吸で醸しだされた空気感によるものだったわけだから、日本人のピュアな資質に間違いない。書いている今も涙が出そうに嬉しかったし、誇らしかったことだ。
さてちなみに、この記事の前段階で、どうも「日本がとんでもなく間違ってること」という辛口記事があったらしい。今度はそちらを見てみることにします。