ハワイに住んでから7年半の2001年12月。同時多発テロ事件の2カ月半後に、生まれて初めて会社の社長という立場に任命されました。最初の一年は「代行」ということでしたが、ハワイのオフィス内では、すぐ上に誰かがいたわけではなかったので、実質すべてを取り仕切る役割でした。
とんでもない経営状態で引き継いだ会社を、皆の力で何とか単年黒字に持って行くことができたのが、3年後の2004年。その翌年には、念願のワイキキの中心地にオフィスを引っ越すことができるようになりました。
誰か他の人が決めたオフィスじゃなく、今度はすべてが自分たちで決めた場所。レイアウトから飾り付けから備品まで、すべて自分たちで選んだものだから、思い入れがまったく違いました。社員はどのくらい思ってくれていたかわからないですが、自分にとっては、まさに「家」以上の愛着。大切な存在でした。
友人であり、編集していた雑誌やウェブにもコラムを書いてくれた風水スペシャリストのローカル女性に見てもらって、最初のレイアウトを決定。そして、その後、備品を全部入れて、しばらく運営して馴染んでから再び風水的見地から部屋を見てもらったのが、親友(戦友とも言う)であり、コラムニストであり、ライターとしてスーパーヘルプをいつもしてくれていた永田広美さんでした。当時彼女はすでに風水コンサルタントとして人を育てる先生になっていました。
2007年だったか、2008年だったか。当時の僕の経営には問題が山積みでした。オフィス内もギスギスしたり、最初はすっきりしていいなあ、と思っていたレイアウトも物も増え、人も増えたら、何だか窮屈で圧迫感を感じるようになってきました。
風水スペシャリストとしてたくさんの家を見てきた永田広美さんに来ていただいて、オフィス全体を見ていただきました。そして、ここをチョイ、あそこをチョイチョイって向きや位置を変えていくと、あら不思議。部屋のエネルギーがグイッとシフトするではありませんか。
そんなスゴイことをしているわけではないのです。家具の向きを変える、っていうレベルのことなので、お金も時間も労力もまったくかかりません。ほんの少し、手をかけることで、同じ部屋がまったく違って見えていくことを痛感しました。そして、気の流れが変わったことが良い方向に働いたのか、社内の人間関係や財務数字も良くなっていったのでした。
風水というと、紫のツボを買ったり、変な紙を貼ったり、そういった類のことをしなくてはいけないと思うかもしれませんが、ここで言う「ハワイ式風水」というのは、まったく別物です。最終的に達成したいのは「心地良い自分」。部屋をいじるかもしれないけれど、その中心にあるのは、そこにいる人。自分。自分と自分の大切な人との関係なんですね。
この家は方角が悪いから引っ越してくださいと言われても困りますよね(笑)。ハワイ式風水はそんなことは言いません。何かとても都合悪いことがあったとしても、「では、そこで何ができるか」を考えて、できることで解決していきます。とても前向き。とても大らかでハワイらしく、清々しいものです。
その永田広美さんの新刊がサンマーク出版さんから発売されました。あなたの人生を楽園にするハワイ式風水
セルフケアのひとつとして、人生を変えたいと願う皆さんにお勧めの一冊です!