「どこで余生を送るかではなく、どんな余生を送るかなんです」に感動

rest of my life

以前、70歳を過ぎると、ロサンゼルスから日本に帰る方々が多いという記事を書いた時、それなりの反応をいただいたのですが、今、制作に関わっている特集記事は、ずばり「65歳からの究極の選択。日本へ帰る?アメリカに残る?」というタイトル。9月1日に発表されるものです。

最初は、医療、福祉、年金、とか、そういうスペック上のことを調べてまとめる部分が大半のイメージだったのですが、考えれば考えるほど、人ってそんなところで余生を送る場所を決めたりしないよな、と思うようになりました。

交通の便のこと。医療のことはもちろん、家族のこと。食のこと。行きたいのに行けなかった温泉地への旅のこと。厳しい時はあるものの、季節ごとに巡ってくる心をかきたてる風物詩のこととか…。

決め手になるファクターは無数にあり、それは個々で大きく異なるもの。価値観にもよるし、パートナーにもよる。生きる場所、あるいは人生を終える場所を選ぶのに、損得勘定が基準になることはないでしょう。

ということで、方針を変えて、今回は、帰る選択をした方3名と、残る選択をした方3名に、直接お話しを伺う部分をメインの特集にいたしました。今、そのインタビューが進行中です。

インタビューのアポ入れは、すべてメールです。皆さん70歳過ぎですが、何の問題もありません。写真も提供してください、とさらりとこちらもリクエスト。あちらからもさらりと素敵な写真が添付されて返ってきます。素晴らしい。

日本に帰られた70代の方々とどうインタビューしたら一番良いか、紹介してくれた方にうかがったところ、「まあ、スカイプが一番いいんじゃないですか。僕もしょっちゅう話してるんですよ」とおっしゃられました。おふたり共73歳ですが、そういうところ、本当に助かります。

いやいや、うちの親はなぜやろうともしなかったのだろう…。

「結局ね、帰国か残るか、何が決め手かなんて人それぞれなんですよ」とは、アメリカに残られた方の73歳の男性。アメリカ在住40年以上で、これまで無数の帰国者を見送ってきた方のお言葉には説得力がいっぱいです。

「最近、思うんですが、どこで余生を送るかはどうでも良くて、どんな余生を送るかってことが一番大事だな、と。」

すでに2-3回、世界一周旅行もされていて、アメリカ人の友人らと日本の技術をアメリカに売る新事業を起ちあげていたりして、今日も往復1時間以上かけてロサンゼルスのフリーウエイを運転して来られて。年齢を軸に自分の限界とか、こうあるべき像を勝手に決めちゃいけないですよねえ。

日本で3年くらい暮らして、子どものグローバル教育に携わりたいとおっしゃられていました。それ、自分も加わりたいな。その他にもたくさん住みたい場所はあるそうで、まだどこで「終えるか」は決められないとか。いつも笑顔が素敵な方。マインドも本当にお元気で、刺激をいっぱいいただきました。

あと4名ほどお話をうかがえるのですが、いやあ、本当に楽しみです。