ビジネスはライフタイム(生涯)バリューを軸に考える

セス・ゴーディンのブログ
日本でもたくさんのファンがいるセス・ゴーディン氏。毎日のブログはコンパクトで読みやすく、深い示唆に飛んでいて素晴らしいです。

いつも1−2パラグラフでサクッと読めるものが多いのですが、先日、ちょっと眺めのエントリがありました。「Thnk Lifetime(Don’t break the chain)」というタイトル。鎖を切らさずに生涯バリューを考えよ、と。これからひとりでビジネスを営んでいくにあたって、今いろいろと構想を練っている段階なので、とくに響きました。

ブログの中で、例として彼の体験したHPのプリンターの話が出てきます。インクジェットは、プリンターそのものはとても廉価ですが、インクが高い。それがビジネスなんですね。サブスクリプション(購読制)のビジネスと同じこと。彼はちょっとしたマシントラブルでHPに電話した際、あまり良い体験をしなくて、結局は買い替えになった。その際に選んだのはキャノンだった、と。

今、自分でもいくつかのサブスクリプションをしています。ケーブルTV、ネット、電話、携帯電話、Dropbox、Netflix、Evernote、そしてこのブログサービスなど、月々クレジットカードにチャージされるものは本当に多い。

サブスクリプションではないけれども、ロイヤリティを持って通っているスーパーマーケットでの年間の買物額合計はいったいいくらになっていくのでしょう。月に100ドルくらいとして1200ドル。それを10年、20年と続けたら、ものすごいライフタイムバリューです。

ハワイ時代からフリー情報誌のビジネスを営んでいましたが、これも年間契約を結び、毎号、毎号、決まって広告をして下さる方々がベースとなってビジネスを盛り上げてくれたからこそ、新しいことに挑戦もできたし、社員にきちんとお給料を払うことができました。小さなサイズの広告でも、ずっと続けてくださっていると、それが何万ドルにも積み上がっていくことも分かりました。

その過程で、何度か「鎖が切れる」ことがありました。でもそれはたいていの場合、自分の至らなさのために、先方がやむを得ず決断したことでした。原因はいつもこちら側にあったのです。

便利で、適切な価格で、きちんとしたサービスを継続してくれれば、サブスクリプションを止めようとはなかなか思いません。ただ、ビジネスを取り巻く環境は日々刻々と変わります。便利さ、適切な価格、きちんとしたサービス、というものが、いずれも「相対的」なものである以上、常に環境に合わせて変化をし続ける柔軟性が必要とされるのです。

頑固に変われないことはネガティブな評価につながり、それはソーシャルでアッという間に広がる時代です。

さて、これを踏まえて、自分は自分のビジネスをどんな風に構築していこうか。良いヒントをいただきました。