成長を加速させるためにフィードバックを素早く受けよう

kyotoasageiko3

クライアントさんのひとりで、「フィードバックを受けるのが怖い」という理由で、上司とまともに話ができない方がいました。

相談はしているようなのですが、自分の評価を聞くのは、足がすくんでとても無理、というくらいに恐怖心に怯えてしまうようです。

職務経歴書を作ってみよう~と明るく課題を出したのですが、赤字を入れられるのが怖くて、身体がこわばってしまう始末。セッションのたびに、いろいろとためになるであろうアドバイスをメールで送っていたのですが、それらのいくつかも、批判と受け止めて、かなりグサグサ来てしまっていた部分もあったようです。あらら、お金出して「買っている」とても貴重な第三者のアドバイスなのに、もったいない…。

僕が彼女に見せたのは、昨年、ライターをしていた時に、編集部から戻された、真っ赤っ赤な校正用紙です。「偉そうに(偉そうにはしていないつもりですが・苦笑)ライターです、とか言ってても、こうやって表記の統一や、表現の矛盾や、論理のまとまりがなってないところに関しては、遠慮なく皆に赤字をバンバン入れられるんだよ。

でもね、これって、自分ではなかなか客観的に見ることができないから、早めに彼らに渡して、彼らが十分に時間をかけてプロの目で校正することができる時間を差し上げることが何よりも大事なんだ」と説明します。

「自分ひとりで、うんうん唸って時間ばっかり使ってみたところで、上げていける精度のレベルはたかが知れてる。早くフィードバックを受ければ、それだけ早く完成度を高めていけるんだよ」と。

世の中には、フィードバックを受けるのが苦手な人はたくさんいます。

自分はできていると過信している場合や、フィードバックを与える立場の人をリスペクトできていない場合、あるいは、人格そのものが否定されると勘違いして鎧をかぶって聞こうとしない場合。

いずれの場合も、単なるフィードバックにすぎないのに、「批判」「否定」ひどい時には「非難」と受け取って、バックラッシュ(逆ギレ)してしまうことがあるのです。

職場において、それを避けるためには、フィードバックを与える方の人間が、まずはプロにならなくてはいけないのですが、日頃の人間関係の中でも、フィードバックは無数に行われています。そのたびごとに心を乱していたら、黄金のアドバイスかもしれないことを素直に聞けなくなるので、とってももったいないことです。

そういう僕も、この部分はとても苦手としてきたことかもしれませんが、ハワイに移ってからは、ずいぶんとたくさんフィードバックを聞いたことで救われた体験をさせていただいたお陰で、フィードバックと感情とを上手く切り離すことができるようになっていきました。

フィードバックは、あくまでも「パフォーマンス」や「態度」「取り組み方」などについて与えられるものであって、「人格」そのものについてではないのだ、というところを、まずは理解すると良いと思います。

さらに、相手の方が、あなたのすべてを理解して言っているわけではないかもしれないので、的はずれな場合もある。だからと言って、いちいち腹を立てたり、傷ついたりする必要などまったくないよ、ということもクライアントにはお話します。とりあえず、うなづいて聞いておけば良いではないですか。相手の方は、たいがいが「良かれ」と思って言ってくれているのだから、感謝することです。

今の時期に、こういう言葉を聞かせていただけるということは、きっと何かの意味があるに違いない。そう考えて、さて、ここから学べることは何か、と考えれば、すべては前向きに受け止めることができるはずです。