たまには息抜きしたいなあ、と思いながら映画を見ても、なんだか楽しめない。家族や友だちと食事をしても、終わってない仕事や、やるべきこ
とができていないことが気になって、どうしても悪いことをしているような気になってしまう。
「罪悪感」
これに悩まされて人生を楽しめていない人は、実は相当いるようですね。
私も実はそのひとりでした。というか、かなりチャンピオン級に、ダメダメでした(涙)。
なんと、ある時期、プチパニック症候群のようなものにかかってしまったことがあったくらいです。
順調だったビジネスに影がさし、競合他社がどんどん先を行くような気になって仕方がなかった頃。社員や株主が皆、やるべきことをやっていないと自分を責めているようで心が休まらない。
とくに週末になって働く手を止めた時に、バクバクと心臓が高なって呼吸が荒くなることが頻発したのです。映画を観ていて、主人公に危機的状況がふりかかると、まるで自分のことのように胸が圧迫され、スクリーンをまともに見ていることができなくなりました。
ハワイのきれいな海を見ながらパートナーとのんびりしようとしても、早く家に帰って仕事をしないと、この間に、どんどん競合に差を付けられているようで落ち着くことができなかったのです。
そこから立ち直っていくには、ずいぶんと時間がかかったのですが、結局のところ、たどりついたのは「不安に思う必要など何もなかった」という事実です。
さらに、不安に思ってみたところで、良いことなど何もない、という、もうひとつの事実にも気づき、もう戻っては来ない「楽しめたはずの時間」がもったいなくてなりませんでした(苦笑)。
その時に読んだ本や、何度も聴き込んだ講演テープ、メンターたちの言葉などから、本当に一生ものの大切なことを教えてもらったと思います。
たくさんのことがあるのですが、今、簡易版を作るとしたら、下記の3つになるのかなあと思いました。悪いことをしているわけでもないのに、罪悪感に苛まれて過ごすなんて、馬鹿げていると思いませんか?
もし、わけの分からない不安や罪悪感に襲われるようなことがあったら、ぜひ試してみてください。
1.今、やれることは何かを書き出してみる
見えないものを見えるようにするだけで、不安は大いに解消されていきます。
幽霊やゴキブリなど、怖いものって、皆、見えないところから突然出てきますよね(笑)。
これをやったらきっと状況は改善するだろうと思えることを、どんどん書き出してみると気持ちが前に向いてくるようです。
なぜ不安なんだっけ?という理由を書き出すのもとても良いと思いますが、時々、不安が増幅されることもあったので、ご注意ください。
2.やった方が良いことと、やるべきことを分ける
やれることがいっぱい出てきたら、それを「やった方が良いけど、今は必然ではない」ことと、「これは今、やっぱりやるべきである」ということに分けてみます。
時間もエネルギーも限られていますから、すべては絶対にできません。それに、周りの人だって、それは皆、一緒です。
どうしても、回りはすごい人ばかりで、すごいことをいっぱいやっているように思えてくるものです。でも、それは錯覚である場合がほとんど。
やれればいいけど、やらなくても別に困らないことって、いーっぱいあるものです。アップアップしているならば、試しに何かやめてみるのも一案です。
恐怖の幻想に怯えていないで、やるべきことだけに集中して、コツコツとやること。最大限に集中力を発揮するために、取捨選択はどうしても必要ですね。
3.人に助けを求める
私も本当にそういう傾向が強かったのですが、どうしても「できない」とは言えない人っていますよね。
私の場合は、経営者として、万能でなくては駄目なのだと思い込んでいて、スタッフにはなかなか助けを求められないでいました。が、結局、最後の最後で放り投げるくらいなら、最初からできないことはできないと助けを求めて皆で協力体制を敷いて、解決した方が良いのです。
不安だって、罪悪感だって、ひとりで抱えていないで打ち明けて、一緒に解決することを考えてみても良いはずです。
誰も、あなたにそんな思いをしてほしくて、ものを頼んだりなんかしていません。あなたがそこまで困っていることが分かれば、驚いて違うアプローチを取ってくれることもあるのです。
とにかく、すべては考え方次第なんだな、ものの受け止め方次第だし、それに向けての動き方でもあるんだな、と理解できたから、私の場合は軽い症状で立ち直ることができて、本当に良かったです。