周囲の人は皆、知っていますが、僕はゲイで、21年間一緒に暮らしてきたパートナーがいます。(ややブランクが空いたりもしていますが、そこはご愛嬌ということで・笑)。ハワイに移住したのも、彼との出会いがきっかけです。
大学生の頃から、ちょこちょこっと身近な女友だちには打ち明け始め、すると、とっても便利で楽なので、どんどん解禁し始めて、ハワイに行ってからは全面的に初対面の時に言うようになりました。
嘘ついたり、言葉を濁したりすることの方がはるかに面倒ですし、そのことで気まずい関係になったことは自分の記憶の限り一度もないので、まあそれでいいのだろうなと思って生きてきました。
そもそも、あんまりこのことで悩んだことがないのです。
正確に言うと、学生時代、世間との距離感を測りかねて、もともと篭りやすい性格が、極端に内側に傾いたことがあったかな、という程度で、人には言えない(言わない)もうひとつの生活が平行して存在するようで、なんかちょっとカッコイイ?と、すっかり勘違いしていた時も長かったくらいです。
秘密って、なんか大人めいて楽しいじゃないですか(笑)。そんな脳天気な感覚です。
たまたま東京にいられたことも良かったのだろうし、居心地の良さを求める嗅覚が鋭くて、広告業界や外資系にすっと居場所を見つけていったのが良かったのでしょう。
そして、そもそも自分は、はじめっから魂レベルで知っていた、という気がしています。「ゲイとして生きる人生は、初めてじゃない」という感覚も、思い起こすたびに湧いてきます。そうでもなければ、なぜあんなに戸惑いもなく自然に受け入れていたのか、説明がつかないからです。
さてさて。
福岡の友人が、このたび、「MarriageRings 4 LGBT(マリッジ・リング・フォーLGBT)」という組織を起ち上げました。これからウエブサイトを本格的に起ち上げて、日本のLGBTコミュニティの皆さんに、ぜひ幸せなウエディングを体験していただこうというビジネスです。
アメリカでは長い歴史を経て、ようやく2013年に法的に認められた同性婚。日本ではまだ法的に認められていませんが、結婚式をするのは別に自由です。自由なはず、です。
ウエディング雑誌の最大手「ゼクシィ」でも、「ゼクシィPremier」で、いたって普通にLGBTカップルの式も紹介しているそうですね。こういう自然な感覚がいいんですよね。逆に、そのことによって希望感もわくし、日本風で良い広がり方をしそうに感じます。
⇒【LGBT】同性カップルもさりげなく、同様に。-ゼクシィPremier小林隆子編集長インタビュー
法的に認められて公になる、ということも、もちろん大事ですし、結婚によって得られる制度上のベネフィットを同様に受けられるということも大切なのですが、それ以前に、友人や家族らの前で、自分たち二人は「公式のカップルである」とお披露目をし、祝辞をいただき、祝福されたいと願う気持ちの方が強いのではないかと思います。
当たり前のように手をつなぐことも憚られる状態を、せめて親しい皆の前だけでも「当たり前」のことにできるようにする儀式として、ウエディングはとても重要です。
そういうシンプルなことなんですよね。
アメリカでは、結婚とはライセンスであり、そのライセンスは州が独自に管轄しているので、全米を司る連邦政府のところで「合法」とされているのに、各州ではまだまだ対応がまちまちです。今日現在で、下記の図の黄色い州は合法、青い色は違法となっています。ハワイもロサンゼルスも、合法です。
(出典: Human Rights Campaign)
ただ、ウエディング自体は、以前から行われていました。宗教団体などの大きな反対にあいながらも、ささやかな幸せの実現を願う人たちによって、非公式に行われてきた。それが今では、国際結婚さえできるようになった。その変化は、歴史上、とても大きいことです。
MarriageRings 4 LGBT(マリッジ・リング・フォーLGBT)」では、今、充実したウエブサイトを起ち上げるために、クラウドファンディングを利用して資金集めをしています。
僕ももちろん微力ながら協力させていただいています。今後も、活動の部分でサポートできることがあるならば、海外部隊としてからませていただこうと思っています。
主旨にご賛同くださる方がいらしたら、目標達成にぜひお力添えください。
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