最初の案はアツアツでダメ。一度冷ましてから味見して、スパイスを振り直すこと

良いと思って提出した案がメッタメタに言われたり、何度もダメ出しをくらったりすることって、ありますよね。

この~とか思って悔しくてギリギリ歯を食いしばってしまったり、ということは自分はあんまりない方で、へえ~そんな見方もあるんだな、と平常心で受け止めることの方が多いのですが、時にカチンっとすることはあります。

でも落ち着いて、落ち着いて、再度いただいたコメントを読み直してみると、なるほど、そうか、そういうことか、と相手の意図が分かってきて、確かにその方がいいかもな、と納得したり。

その意図はわかるけれど、でも今回はこのままで行った方が、これこれこういう理由でいいかも、と思った時は、そのように丁寧さを心がけながら言うようにはしています。すると先方からも「ああ、そうかもですね」と返ってきて、ちゃんちゃん、となることも多い。

ここで大事なのは、最初の案に固執しないで、一度冷やしてから再考してみることです。この「冷ます」ってことが大事なんですよね。

料理でも、煮物なんかは、熱が引いて行く時に味が染みこんでいきます。完全に冷めた時には、沸騰していた時とは別物のような深く濃い味になっていたりする。熱い時にどうも味が薄いなあと濃い目に味付けしてしまうと、後で真っ黒になったりして後悔することしばし。本当の味は、冷めてからでないと分からない。そこで経験値が生きてくるわけです。

料理と作品(文章や企画やアイディア)とは、別物ながらも似ている気がしています。数日経って、最初の熱が冷めた時になって初めて客観的に自らのアウトプットを見ることができて、本来の評価を与えられるんですね。出来上がったばかりで興奮している時は、熱すぎて舌がその味を十分に感じられないんですね。

ということを知りつつも、あえて生っぽいままで出しちゃう時もあります。Facebookやブログなんか、まさにそう。これは自分の体温が伝わるくらいに熱々で出してあげた方が鮮度が良くて喜ばれる。多少荒っぽくたって、その方がイキイキと人の呼吸やぬくもりや情熱が伝わって良かったりする。

その使い分けが大事なんだな、きっと。

賞味期限ってのもあるんだと思います。ソーシャルメディアなんて、一瞬で通り過ぎてしまうもの。ブログだって、毎日何編も更新していれば、半日くらいの寿命しかない。1週間もしたら、書いた本人も忘れてるくらいの寿命です。

そういうものは熱々が良い。(後から引っ張りだされて赤面することも覚悟しないといけませんが。)

だけど、雑誌や本だったり、ある程度、形に残り、長く読み継がれる可能性があるものは、それではいけませんね。だからこそ、何度も何度も読むし、複数の違う人が新鮮な目で読んで、あらゆる角度から長い間、フレッシュでいられるようにとテコ入れをします。

最初に見た時には気づかなかった誤字脱字を、3度め以降のチェックで気づくことも良くあります。怖ろしや、怖ろしや。でも熱々の時ほど、見つけられないんですよね。ツッコミしてくれる皆さんに感謝しています。